米最高裁は、秘密保持契約の下で米国の裁判所に提出された書類を、海外の行政機関である欧州委員会が閲覧できるか否かについて、判決を下すことで合意した。
今後、多くのハイテク企業が追随する可能性があるこの訴訟の中で、最高裁は、Intelが別件で、非公開という条件で米地裁に提出した業務上の機密文書を、欧州委員会が入手できるか否かについて判決を下す。仮に最高裁が開示を認めれば、秘密保持契約は多くの場合、機密保護の役割をほとんど果たさなくなると企業が判断する可能性がある。
Intelによると、問題の文書は数十万ページに及ぶという。
この裁判は、IntergraphとIntelとの訴訟の際に作成された文書をめぐる、米Advanced Micro Devices(AMD)とIntelとの争いに端を発している。
AMDは2000年に、Intelが「卑劣な」マーケティングプログラムを実施し、欧州競争法に違反しているとして欧州委員会に訴えた。「Intel Inside」キャンペーンも、このプログラムの一環とされている。Intelはこれらのキャンペーンの下、一定の売上げ基準を満たしたコンピュータメーカーにマーケティング/広告資金を提供している。
Intel Insideキャンペーンは、Intergraph、Intel間の複雑な訴訟における争点の1つだった。この訴訟では、Intergraph がIntelのキャンペーンは米独占禁止法に違反していると主張し、1997年に初めて提訴して以来長期化した。
この裁判で、Intelは和解金として数百万ドルをIntergraphに支払ったが、その和解はIntelがIntergraphの特許を侵害した問題に関するもので、独占禁止法違反に関する訴えは2000年に取り下げられた。
2001年に、AMDは、北カリフォルニア地裁に対し、Intergraphの訴訟において、非公開という条件で証拠として提出された文書および専門家の証言を入手したいとの請願書を提出した。当時AMDの広報担当は、その文書によって「Intelが選択的に、Windows搭載コンピュータ向けのコンピューティングインターフェースについての情報を隠した」という同社の主張が裏付けられる可能性があると主張した。
同地裁はこの請願を退けたが、その後第9巡回控訴裁判所がその判決を覆した。Intelは、この問題の解決を求めて最高裁に控訴した。米法務次官は今年夏、判例法が二分しているとして、最高裁に同裁判を引きうけるよう助言した。欧州委員会が、米国の裁判所と同様の規制対象となり得る司法機関であるか、あるいは行政機関であるかが争点の1つとなっている。
Intelの広報担当、Chuck Mulloyは「第9巡回控訴裁の判決によって、企業が第三者からの広範な情報開示請求に応じざるを得なくなるという懸念がある」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス