Macintosh G5のクラスタで構成したスーパーコンピュータが、世界最速マシンのランキングで順位を上げ、第3位に浮上した。設計者の話では、同システムのパフォーマンスはまだ改善の余地があるという。
バージニア工科大学が発表した、同大学のTerascale Clusterの最新パフォーマンス評価によれば、Big Macと名付けられたこのクラスタシステムは、9.55テラフロップ(1秒間に9兆5500億の処理が可能)を記録したという。同システムの上には、日本のEarth Simulator(35.8テラフロップ)とASCI Qスーパーコンピュータ(13.8テラフロップ)という2つのシステムがあるだけとなった。この数値は、世界のスーパーコンピュータをランク付けしたトップ500のリストを管理するテネシー大学のコンピュータ科学者Jack Dongrraによって報告された。
Big Macは、ハイパフォーマンス・コンピューティングの世界に衝撃を与えたが、それはこのシステムが既製品のMacintoshを組み上げたもので、構築にも約6カ月しかかからず、また費用もわずか500万ドルを超える程度だからだ。従来、ランキングのトップに位置するスーパーコンピュータは、何億ドルもの予算と何年もの年月をかけて組み立てられるのが普通だった。
Big Macのパフォーマンスは、細かいチューニングを施されることで変化した。このクラスタに存在する2200基のプロセッサのうち、わずか数基を使った初期のテストでは、高い推定値を記録したが、もっと最近では8.1テラフロップという、スパコンランキングの第4位に当たる数値を残していた。バージニア工科大学では、世界で5指に入る最速スーパーコンピュータシステムを作ることを目標に掲げていた。
同システムの設計者であるSrinidhi Varadarajanは、10月28日(米国時間)に米カリフォルニア州で開かれたO'Reilly Mac OS X Conferenceにおいて、さらにチューニングを行うことでパフォーマンスをさらに10%向上させられるると語った。最速スパコンランキングの最終版は、11月中旬に開かれるInternational Supercomputer Conferenceで発表される予定だ。
このクラスタシステムは、米IBM製の64ビットCPU、G5プロセッサ搭載をしたデュアルCPUモデルのMacintoshを1100台つなげて構築したもの。Varadarajanは、同大学が購入にあたって1台3000ドルという正価を支払ったこと、また当初は米Intelか米AMD製のプロセッサを使おうと考えていたことを明らかにした。しかし、IntelのItanium 2は遅すぎ、AMDのOpteronは高価すぎたという同氏は、近いうちに同システムのMac OS Xを、最新のPantherにアップグレードする計画だと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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