米Yahooはエンタープライズソフトウェア事業部を閉鎖し、従業員を解雇した。何人の従業員が解雇されたかについては、公表していない。
エンタープライズソフトウェア事業部は、大企業に自社のウェブソフトウェアを販売する事業部で、今後は同社のコンシューマー向け事業部に吸収される。Yahooは今後も、エンタープライズソフトウェア事業部が扱っていた製品の提供を続けるが、これまでとは異なるチームが販売にあたることになる。これは、Yahooの企業向けIM(インスタントメッセージ)サービスのような製品が、コンシューマー向けの無償サービスを運営するマネージャの管理下に入ることを意味する。
「事業部としてのエンタープライズ向けソリューションは今後、コンシューマー向けの事業を補完する要素となる」と、Yahooの広報担当、Chris Homanは述べている。
今回の事業部再編の一部として、Yahooは先週、エンタープライズソリューション事業部のスタッフを解雇した。解雇された従業員の数は公表されていない。
Yahooでは、企業向けIMのほかにも、ネット・ブロードキャスティング・サービスやウェブポータルソフトウェアを販売している。
エンタープライズソフトウェア事業部でシニアバイスプレジデントを務めていたSteve Boomが、今後も引き続き企業向けIM製品の販売を担当するが、ただし異なる経営チームに報告することになる。なお、広報担当のHomanはこれ以上の情報公開を控えた。
同事業部の解体は、これまで数年にわたって財務面で不確実な状態を続けてきた末の出来事だ。2002年11月、同事業部はウェブベースのブロードキャスティング事業に関連したコストを削減する目的で、解雇を行った。この合理化策は同社にとって重要な意味を持っていた。というのも、この事業はYahooが1999年に50億ドルで買収した旧Broatcast.comに端を発するものだったからだ。
過去数四半期にわたって、Yahooのエンタープライズ事業部には不調を示す兆候が見えていた。今年4月、Yahooは同事業部が600万〜700万ドルの損失を計上したことを発表したが、これは同社が放送事業に重きを置かなくなったことが大きな原因だった。また7月に発表した収益報告では、同事業部の売上がさらに落ち込んでいると述べていた。
アナリストらは、今回のYahooの動きについて、メディア指向の企業が直接法人に販売を行うことの難しさを浮き彫りにしていると述べている。米AOLも先日、AOL Instant Messengerを企業ユーザーに提供する計画を撤回し、代わりに英Reutersのような企業とパートナーを組むことに重点を移している。
米Pacific Growth Equitiesのアナリスト、Derek Brownは、「当初から、Yahooが法人市場に入り込めるかに関しては、懐疑的だった」と語っている。
だが、Yahooは今回の体制変更に関して、コンシューマーおよび法人市場の両方で、IM事業全体を合理化する一つの手段と位置づけている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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