ボストン発--米国時間28日に当地で開催された米Forrester ResearchのExecutive Strategy Forumで、RFID(Radio Frequency Identification)技術が話題を集めた。同技術が、低迷するエンタープライズソフトウェア業界の活性化に一役買うのではないかと、出席者は期待している。
今年の会議のテーマは、「拡張したインターネット」となっている。マサチューセッツ州ケンブリッジのForresterによれば、このコンセプトは製品や企業資産を携帯端末、車載通信システムや無線ICタグ(RFID)のようなデジタルデバイスとリンクさせる技術の採用に言及しているという。
RFIDチップは、ほとんどの場合、それが付属している製品についての記述情報を提供する。そして、このデータは、携帯端末や倉庫に設置されたセンサのような様々なデバイスで読み取ることができ、企業が在庫管理のようなプロセスを合理化できる可能性を秘めている。たとえば、ある企業はチップを使い、輸送コンテナを止めて中を開けなくとも、中身を確認できるようにすることを計画中だ。
一部の専門家は、製品、重機、トラックといった企業資産にRFID技術を取り入れることで、それぞれの企業は、統合業務パッケージ(ERP)やサプライチェイン管理アプリケーションを含むエンタープライズソフトウェアシステムがなかなか実現できなかった便益を、ようやく実感できるようになると見ている。ForresterアナリストのNavi Radjouは、RFID技術は製造や流通のようなプロセスの合理化を試みたエンタープライズシステムが、なかなか実現できなかったリアルタイム情報を提供できるようになるかもしれないと、説明した。
「サプライチェインソフトウェアの場合、その目的は、常に注文をより効果的に追跡したり、在庫を調整することだったが、これらのシステムは性質上、どうしても履歴データに頼らざるを得ない。RFID技術によって、製品や原料がどこにあったかではなく、今どこにあるかを正確に把握できるようになり、エンタープライズシステムと物理的なサプライチェインの間に存在する情報ギャップを埋めることができる」と、同氏は述べた。
同氏によると、エンタープライズソフトウェアシステムの正確度を向上させることで、企業は資材外注、在庫管理や要員配置において、経費を大きく削減できるという。
この会議では、コンシューマプロダクト大手の米Procter & Gambleやタイヤメーカーの仏Michelinを始めとする有名メーカが、RFID技術に基づくアプリケーションについて詳細な計画を披露した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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