日立ハイテクノロジーズは10月14日、国内の株式公開全企業約4500社の財務情報を国際標準であるeXtensible Business Reporting Language(XBRL)形式で表現し、企業による公開の翌日までにインターネットで提供する「XBRL財務情報提供サービス」の運用を11月1日から始めると発表した。これに合わせ日立製作所は、XBRL形式で入手した財務情報を既存の社内システムと連携させ、データの分析や加工を行なう環境を構築する「XBRLデータ受信環境構築サービス」の提供を同じく11月1日より始める。
XBRLは財務情報などの業務データを記述するためのXMLベースの言語で、American Institute of Certified Public Accountants傘下のXBRL Internationalという組織が中心となって策定したもの。日立ハイテクと日立は、XBRL普及を支援する国内団体XBRL Japanの公開している日本版標準会計科目集をベースに、株式公開全企業の会計科目を関連付けた共通会計科目を設定し、各企業の会計科目を共通会計科目に変換するシステムを開発した。
これにより、企業による財務情報の公開後1日以内にXBRL化した財務情報の提供が可能になったという。XBRL形式の財務情報は、受け取り側の社内システムへ用途に応じ任意の科目で取り込める。「財務情報を共通化された形式で入手できるので、金融機関、機関投資家、一般企業の取引先審査部門などにおいて、企業財務を迅速かつ効率的に分析/評価できる」(両社)
XBRL財務情報提供サービスで提供する主な財務情報は、四半期決算短信(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など)や有価証券報告書、半期報告書など。「財務情報の他社比較/経年比較/財務体質の分析などが容易に行える」(両社)。共通化した科目は英語でも参照できるので、欧米企業との比較も容易という。さらに原文書の情報も提供するので、必要に応じてXBRLデータ上に設定されたリンクから原文書も利用できる。
またXBRLデータ受信環境構築サービスでは、XBRL財務情報提供サービスで受け取った財務情報を既存の社内システムと連携させる環境を構築し、リアルタイムな情報の利用を可能とする。
XBRL財務情提供サービスの利用料金は月額12万円から。XBRLデータ受信環境構築サービスについては個別見積もりとする。
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