米Hewlett-Packard(HP)は24日(米国時間)、同社のLinux利用顧客が米SCO Groupから訴えられた場合に、これを補償するとの計画を発表する。
HPの代表者は23日夜、同社の顧客によるLinuxの使用に関する法的責任を、同社が肩代わりするとの計画を発表すると認めた。SCOは、Linuxオペレーティングシステム(OS)に、自社のコードが不正に挿入されたと訴えている。
HPは、Linuxサーバを販売する最大手企業の1つ。
SCOは今年、Unix技術を不正流用したとして、米IBMを相手取り30億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こした。以来同社は、Linuxに対して広範な権利を主張しており、大企業1500社に対して手紙を送り、Linuxを導入すると法的手段に訴える可能性があることを伝えている。
これに対して、IBMはSCOを反訴している。
HPには、SCO自体を訴える計画はない、とHPの関係者は述べている。
「我々は実際それも検討したが、進んであらゆるリスクを肩代わりすることに決定した。それが、我々が顧客を保護するためにやりたいことなのだ」(同関係者)
Linux使用にライセンス料を払うことに同意した企業は2、3社あるが、オープンソースコミュニティはSCOの主張を激しく拒否している、とSCOは述べている。
SCOは24日、HPが顧客を免責とする決定を下したことを歓迎する声明を発表し、米IBMや米Red Hatなど他の主要Linuxディストリビュータらに、HPに倣うよう求めている。HPの決定は、商業目的でのLinux利用に法的リスクがあるというSCOの主張を裏付けている、とSCOは述べている。
「HPの今朝の行動によって、Linuxを使用している企業エンドユーザーが、法的リスクに晒されているという事実が再確認された。HPの行動は、我が社からライセンスを取得するよう、Linxu業界を動かすものだ。言い換えれば、Linuxは無料ではないということだ」と、SCOの声明には記されている。
Linuxやそれをベースにしたシステムを販売している企業は、SCOの主張を非難したり、Red Hatのように訴訟を起こすなど、さまざまな手段を講じている。
またRed Hatは、Linux開発者が万一訴訟を起こされた場合に、それを戦うためのコストを賄うべく、100万ドルの法廷闘争用基金「Open Source Now Fund」を設立した。
なお、SCOとUnixライセンス契約を結んでいるSun Microsystemsは今月はじめに、同社のLinux顧客を訴訟から保護すると発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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