米Microsoftが、同社のウェブブラウザInternet Explorerを再設計する計画の詳細を明らかにしたことを受け、Eolas Technologiesの創業者Mike DoyleはMicrosoftに対し、Internet Explorerには手を加えずに、Eolasにライセンス料を支払うよう要求した。
Eolasは、同社の特許を侵害したとしてMicrosoftを告訴し、連邦裁判所で5億2100万ドルの損害賠償を勝ち取っている。ソフトウェア業界ではDoyleを、何がなんでもMicrosoftと和解したがらない、イデオロギーに強く動かされた運動家のように見る傾向が強まっているが、Doyleの発言はこれに対抗するものだ。
「Microsoftは、ブラウザから問題の技術を取り除き、インターネットを混乱させるより他に手がない、と世界に向けて主張している」とDoyleは19日(米国時間)のインタビューで述べている。「しかし私がはっきりさせたいのは、本当はそうではないということだ。Microsoftには和解するという道もある。しかし彼らが和解を拒んでいる限り、彼らの結論はそういうことになる」
8月にEolasが勝訴して以来、ウェブソフトウェア業界では憶測が飛び交い、Microsoftが予定している上訴によっても決定が覆されない場合に備え、この特許と共存していく方法を計画している。
Microsoftは、サンフランシスコの米Macromedia本社で開催された会合で、同社が可能性として検討している、ブラウザの複数の技術的変更の概略を説明していた。
Doyleが示唆しているように、選択肢によっては膨大な数のウェブサイトで書き換えが要求されたり、プラグイン技術が完全に廃止されるなどの形で、インターネットが混乱するのではないかと、いろいろな人々が恐れている。
Eolasが和解に応じたがらないと世間が捉えていることについては、Doyle自身にも責任があるかもしれない。Doyleは報道陣に対し、Eolasは、Microsoft以外のブラウザにプラグイン特許技術をライセンスしたり、同社独自ブラウザの製作を行ったりする一方で、Microsoftに対しては特許技術のライセンスを拒否する可能性がある、とコメントしていた。
19日にはDolyeは、この発言を仮定的なものとして、距離をおいている。
「Eolasが誰かに買収されたとしたら、というような視点で話をしてみたのだ。Eolasを買収した会社には、特許法のもとで利用できる全ての力がある。それに私は、多数考えられるシナリオの中で、仮説的な状況を説明したまでだ。彼らは、業界に恐れや不安や疑念を起こさせるのが得策だと考えて、議論の一部分だけを取り上げて騒いでいるのかもしれない」(Doyle)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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