Webサービスマネジメントの標準争いが激化

 Webサービスマネジメントは、Webサービスベンダー間の競争で、次の主要な戦いの場となりつつある分野だが、この技術に関する標準開発が進んでいる。

 米Computer Associates International(CA)、米IBM、 そしてTalking BlocksというWebサービスマネジメントに関する技術開発を行う新興企業の3社は、先週11日(米国時間)、業界団体のOrganization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS)に技術仕様書を提出し、業界標準としてこれを採用するよう検討を求めている。この新仕様は、来週にも公式に発表される予定だ。

 OASISのWeb Services Distributed Management (WSDM) 技術委員会の目標は、各種のWebサービス標準に沿って書かれたアプリケーションの性能を追跡する製品のために、その技術的な青写真を描くことだ。この標準は来年1月に固まる予定だが、異なる企業から出されるWebサービスマネジメント用アプリケーションを確実に相互運用できるようにするためのもの。WSDM技術委員会は2週間以内に会合を開き、この標準について検討するとみられている。

 だが、その他のWebサービス標準と同じく、Webサービスマネジメントの仕様策定作業は、ベンダー間の利害対立により、複雑化している。

 米Hewlett-Packard(HP)は、システムマネジメント分野でIBMやCAと直接競合する関係にあるが、同社はこの7月に、Webサービスマネジメントに関する独自の仕様、もしくは枠組みを、OASISに対して提出した。さらに、HPが9月はじめにTalking Blocksの買収計画を発表したことで、事態はますます複雑になった。 Talking Blocksが、仕様を巡ってHPと対立関係にあるIBMやCAと手を組んでしまっていたからだ。今後HPは、自社でWebサービスマネジメント製品を開発する際の基礎として、Talking Blocksのソフトウェアを活用していくつもりだという。

 Talking Blocksの元CTOであるMark Pottsは、ソフトウェアマネジメント分野の大手企業同士が明らかに競合する標準案を提出しているにも関わらず、両陣営の利害の衝突をあまり気にかけていない。

 「利害関係者はすでに出揃った。やがて統一の標準ができあがってくると思う」と、今月初めにHPがTalking Blocks買収を発表するために開いた電話会議のなかで、Pottsはそう述べている。

 標準の最終決定を目前に控え、Webサービスマネジメントをめぐるベンダー間の競争はいまなお激化している。

 HPのTalking Blocks買収計画が発表になる数週間前には、CAがAdjoinという別のWebサービスマネジメント企業を買収している。その他、Actional、AmberPoint、Confluentをはじめとする、新興企業数社も、この分野の製品を発表している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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