米インテル、独企業のクラスタソフトウェア部門を買収

 米Intelは、ドイツの企業Pallasから高性能コンピューティング・ソフトウェア部門を買収することになった。Intelは、顧客が同社製プロセッサの性能を最大限引き出せるよう、ソフトウェアを活用する戦略をとっているが、今回の買収もその計画の一環となる。

 今回の買収に詳しい情報筋によると、買収契約は8月に結ばれたという。Intel広報担当のScott McLaughlinは26日(米国時間)、買収の動きがあることを認め、この買収は9月に完了すると述べた。なお、契約の金銭的条件は明らかにしなかった。

 Pallasは、コンピューティング・クラスタの性能を監視・改善するのための製品を複数所有している。クラスタとは、ローエンドのマシンを多数つなぎ合わせて、1つのスーパーコンピュータと同等のものを構成するシステムのこと。Pallasには、他の企業が同社製ソフトウェアをクラスタ上で稼動するため、ソフトウェアの変更の手助けを行うコンサルタントが存在する。

 また同社は、グリッドを使いやすくする製品の開発の最終段階にある。グリッドとは、異なる組織のコンピュータやストレージシステムを共有プールにして、スーパーコンピュータを構成するシステムだ。

 McLaughlinによると、高速スーパーコンピュータ上位500機種のなかには、Pallasの高性能コンピューティングソフトを使用したシステムが4つ入っているという。DaimlerChrysler、T-Mobile、IBMなどが同社製品を採用している。

 Intelは、コンパイラなどの基本的なソフトウェアを販売している。コンパイラとは、人間が書いたソフトウェアコードを(インテルベースの)コンピュータが理解できる命令に翻訳するソフトウェア。

 しかし同社は、ソフトウェア計画でいつも成功しているわけではない。たとえば同社のVirtual Interface Architectureは、分散コンピューティングネットワークでプログラムを稼動するためのソフトウェアだが、広く採用されなかったと米Illuminataのアナリスト、Gordon Haffは言う。

 「Intelは、Intelアーキテクチャ(IA)タイプのマシンを優遇する傾向があるので、同社がローエンドマシンのクラスタを推進したいと考えているのは間違いない。しかし、実はIntelには、ソフトウェアを売り込むためのエンドユーザーとの適切な接点がない。IT管理者は、Intelではなくシステムのメーカーやサードパーティのソフトウェア会社に、こうしたソフトウェアを求めにいく」(Haff)

 Intelのソフトウェアグループは最近、IA-32 Execution Layer(IA-32EL)と呼ばれる技術に取り組んでいる。同社は、IA-32EL技術により、PenitumやXeonプロセッサ向けに書かれた旧式ソフトウェアを新Itaniumプロセッサ上で稼動する際に、その性能が改善されると期待している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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