SRAは8月7日、都内で記者発表会を開き、オープンソースデータベースのPostgreSQL7.3.4をベースとした製品「PowerGres on Linux」と「PowerGres Plus」を9月から販売すると発表した。価格は、PowerGres on Linuxが4万8000円、PowerGres Plusが7万8000円より。
PowerGres on Linuxは、オープンソースデータベースとして人気の高いPostgreSQLをベースに開発された商品で、SRAが開発したウェブベースのGUIを特徴としている。このGUIでは、データベースの起動や停止、基本設定、ネットワーク設定、データベース監視、バックアップなどが簡単に行なえる。サポート体制も充実しており、ユーザー登録者に対し30日間のインストールサポートが標準でつくほか、年間1万円の「製品保守サポート」、年間8万円の「年間サポート」などが提供される。年間サポートでは、無償バージョンアップ以外にも、修正パッチの提供、障害対応、サポートデスクサービスなどが含まれている。
SRA常務取締役 米津正義氏 | |
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PowerGres Plusは、PostgreSQLに富士通が開発したミッションクリティカルデータベース技術のSymfowereを組み入れた大規模向けデータベース。PostgreSQLではバキュームというコマンドを定期的に実行して、データベースのメンテナンスを行う必要があったが、PowerGres Plusではバキューム作業不要になった。また独自の高性能ストレージマネージャーを採用し、データベースの大きさに応じてCPUを増設するなど柔軟性が向上されている。さらに、PostgreSQLでは障害が発生した際、最新のバックアップファイルまでしかデータを復元することができなかったが、「アーカイブログ」機能を使って障害の直前の状態に復元することが可能だ。サポート体制は、年間15万円の「年間サポート」が用意されている。
PowerGres on Linuxの動作環境は、Red Hat 7.3/8.0/9.0、TurboLinux 8 Server、TurboLinux Enterprise Server powered by United Linux。一方、PowerGres Plusの動作環境は、RedHat Enterprise Linux AS/ESとなっている。
現在、オープンソースデータベースは企業での利用に耐えるものとなっており、例えば、コニカのオンラインプリントサービス(会員数13万人)やヤマハの携帯電話向けコンテンツ配信サービス(会員数300万人)などで稼動しているという。オープンソースの商用ソフトに対するメリットは、コストの削減や、ソースが公開されているという信頼性などだ。しかしながら、デメリットとして開発や運用時のQ&Aがなかったり、問題回避策の提言など保守サービスの不安が残されていた。SRAでは、「限りなく製造者責任に近いサポート体制」として、「パッケージとして商品化すること」によりユーザーに信頼を提供するとしている。
同社常務取締役の米津正義氏は、「官公庁でもLinuxの普及が始まっている。データベースについてもシステム開発の上で必要不可欠になってきている。このようなLinuxの進展にともなって、PowerGresファミリーを市場に広めていきたい」とコメントしている。同社によれば、2003年下期で1億円、2005年度までに20億円の売上を見込んでいるという。
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