サンフランシスコ発-- 一部にはLinuxがUNIXの後継になれるほど成長できるかどうかを疑問視する声もあるが、少なくとも英国ベースの多国籍企業Unileverはそうなると信じている。
石鹸の「Dove」から「Ben & Jerry's」アイスクリームまで幅広く扱うUnileverは、数年後に自社の全サーバをLinuxに移行する予定だという。Hewlett-Packard(HP)のエンタープライズシステムグループ担当エグゼクティブバイスプレジデント、Peter Blackmoreが、米国時間8月5日に行ったLinuxWorld Conference and Expoでの基調講演で語った。
Unileverのグローバルインフラ部門を率いるMartin Armitageは、ビデオで流された発表の中で、「2006年か2007年には、UNIXシステムの購入を完全に中止し、Linux関連の製品に絞る」と語り、Blackmoreの主張を裏付けた。
Linuxははじめ、ファイルの共有やプリントジョブの管理といった、さほど重要でない作業をこなすローエンドサーバ向けのオペレーティングシステムとして、企業のなかに入り込んだ。その後、電子メールやウェブサイトの運用など、サーバで行うほかのタスクにも守備範囲を広げていった。そして現在では、同時に多くのユーザーがアクセスするSAPの営業/在庫データベースの運用といった、ハイエンドのタスクにも対応するようになった。
Armitageによると、Unileverでは2〜3万ユーザーをサポートするSAPのソフトウェアをLinuxで稼動する見込みだという。
Linuxは、HP-UX版UNIXやMicrosoftのWindowsとともに、Hewlett-Packard(HP)が注目する3つのオペレーティングシステムの1つとなっている。ItaniumプロセッサをベースにしたHPのIntegrityサーバでは、この3つのOSを同時に運用できる。しかし、現在Linuxが動いているマシンの大半は、Itanium搭載システムではなく、HPのProLiantサーバシリーズをはじめとするXeonベースのローエンド向け低価格サーバだ。
事前に予想されていた通り、HPのBlackmoreは、Linuxシステムの管理を容易にするためのソフトウェアの変更もいくつか発表した。このなかには、数多くのサーバを短時間で設定するProLiant EssentialsソフトウェアのLinux版や、Linux版OpenView管理コンソールソフトウェアも含まれている。同社はまた、システムパフォーマンスを監視するOpenViewのGlancePlusソフトウェアについても、Linux版をリリースしている。
HPはさらに、通信企業が利用するOpenCallソフトウェアの一部についても、Linux版をリリースした。同社は1月にも、電話回線接続用のSS7スイッチングソフトウェアを処理するコアソフトウェアの、OpenCallパッケージをリリースしている。現在では、番号を電話に入力する代わりに、通話者が読み上げる暗号コードの数字を理解する、音声認識ソフトウェアの販売も行っている。
Blackmoreによると、HPでは現在3500台以上のLinuxサーバを利用しているという。また同社では、カスタマーサポートのために世界120カ国600カ所のサポート拠点に、5000人のLinuxサービス担当者を配置しているとも語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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