MS新社長、「ミナサンコンニチハ、マイケル・ローディング デス」

藤本京子(CNET Japan編集部)2003年08月06日 20時34分

 マイクロソフトは8月6日、先月1日付けで同社代表取締役社長に就任したMichael Rawding氏の就任記者会見を行った。冒頭にてRawding氏は、「今日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」と日本語で挨拶をし、これまでマイクロソフトが日本でパートナーや顧客とよい関係を保ってこられたことはとても幸運なことだったと感謝の意を述べた。

 Rawding氏は日本法人の新社長として、マイクロソフトとしてのコーポレートミッションである「顧客の可能性を最大限に引き出す」という部分を、いかに日本市場で実現するかが大きな役目だと話す。「ITはビジョンやひらめきを提供し、企業や個人の可能性を引き出すものだ。業界リーダーの1社として、リーダーシップを発揮し、業界の手本となるような事例を作り出していかなくてはならない。ITというものが自分の環境をどうサポートできるのかを示さなくては」とRawding氏は語る。

マイクロソフト代表取締役社長、マイケル・ローディング氏

 またRawding氏は、「市場を活性化させるため、需要を喚起させなくてはならない」という。需要を喚起するには、テクノロジーを購入するための動機づけが必要だ。そのために「日本のパートナーと共に数々のソリューションを提供していきたい」とRawding氏。「これまでわれわれはパートナーとの提携を中心にビジネスを展開してきた。そしてこれからも、われわれのソフトウェアプラットフォーム上にパートナーがバリューを追加することで、新しい可能性が生まれると信じている」と、同氏はパートナーとのビジネス戦略の重要性を述べた。

 しかしRawding氏は、市場を活性化させるだけでは十分でなく、顧客にテクノロジーの価値を理解してもらうことが重要だという。「そのため、顧客とうまくコミュニケーションをはかり、ITがビジネスバリューを引き出すためにうまく貢献しているかを確認していくことが大切だ」とし、これらのミッションを念頭に、「日本におけるITのエコシステム全体をサポートしていきたい」と語った。

 IT技術が浸透するにつれ、重要となるのは信頼性だ。マイクロソフトでは「Trustworthy Computing(信頼できるコンピューティング)」という方針を打ち出しているが、この方針をさらに推進し、社会の一員として貢献していきたいとRawding氏は語る。たびたび不具合が報告されている同社製品だが、「セキュリティは業界全体の問題。Trustworthy Computingの柱もセキュリティであり、今後も不具合を最小限にとどめていくことや、万が一不具合があった場合も迅速な対応を努める」とした。

 同時にRaiding氏は、「われわれはプラットフォーム志向の企業なので、技術的にもビジネス的にも開発者向けに最高のプラットフォームを提供していくことに注力する」と語っている。そして、「これからもユーザーコミュニティやパートナーと連携して事業を進め、われわれの製品で個人や組織がより生産性を向上させることができるようめざす」とし、同社が全体的な視点を持っていること、また統合的なイノベーションを行うべく今年1年で65億ドル以上をR&Dに費やす予定であることを述べた。

 エンタープライズ分野では、「レガシーのメインフレームテクノロジーをWindowとIAの組み合わせに移行させていくことで、顧客のコストパフォーマンスと生産性向上をめざす」とRawding氏。また、「.NETとXMLベースのWebサービスが新しいビジネスチャンスを生み出すことができる」とも述べている。今後もパートナー各社と市場ニーズに適したビジネスソリューションを提供し、業種別に個別のショーケースを用意してそれぞれの業種に合ったものを提供するという。

 質疑応答ではやはりLinux対策についての質問が飛び出した。Rawding氏は「Linuxは競争力のあるテクノロジーなので、まずわれわれはじっくりLinuxについて研究してみるつもりだ」と答えつつ、「テクノロジーの重要な部分として、ビジネスとうまく統合できるかといったことがあげられるが、Linuxではインテグレーションがうまく実現していない」としている。また、Linuxには隠されたコストがあることも指摘し、「Windowsは十分に優位性がある」と語った。

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