産業技術総合研究所(産総研)が構築を進めるクラスターシステム「AISTスーパークラスタ」に、AMDの64ビット・プロセッサ「Opteron」を採用したIBM製サーバeServer 325が導入されることになった。日本IBMが7月30日明らかにしたもの。
eServer 325は、IBMが生物構造や衝突解析などのHPC(High Performance Computing)やグリッド・コンピューティング向けに開発したラック型サーバマシン。Opeteronプロセッサを最大2個搭載可能。AISTスーパークラスタは、1058台のeServer(2116個のOpeteronプロセッサ搭載)を中核とする合計2636プロセッサーで構成し、約11TFLOPS(テラフロップス)の演算処理能力を実現する予定という。日本IBMでは、「世界最大のLinuxスーパーコンピューター」と説明する。
AISTスーパークラスタは、グリッドの標準仕様「OGSI(Open Grid ServicesInfrastructure)」に対応する。2003年7月1日にアメリカの学術機関から出荷されたグリッド管理ソフト「Globus Toolkit 3」をベースにグリッド環境を構築する予定。
同システムは茨城県つくば市に建築中の産学官連携情報技術共同研究施設に導入する。主にナノテクノロジーやバイオインフォマティックスといった分野の研究に計算環境を提供する。超伝導・燃料電池などの新素材の開発や、新薬のベースとなる化合物の開発など、基礎研究にかかわる時間の大幅な短縮が見込めるという。同システムは、2004年春に稼動開始する予定。
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