元Alphaチップ開発エンジニア陣が、インテルへぞくぞく移動中

 Pete Bannonは、かつてDigital Equipment Corp.(DEC)が鳴り物入りで開発にあたっていたAlphaプロセッサを設計した主要なメンバーの1人だが、その彼をはじめとして、Alpha開発に携わった多数のエンジニアが米Intelに入社し、将来登場するItaniumの開発を進めている。

 Intelが今週発表したところによれば、Bannonをはじめとする約50人のAlpha開発エンジニアが今月Hewlett-Packard(HP)を退社して、同社に移るという。この人材の移動は、Intelと当時Alphaを管理していたCompaq Computerとが、2001年に結んだ大規模な開発契約に端を発する一連の技術者大移動の中の最新の動きである。

 Intelには、既におよそ300人の元Alpha開発エンジニアが在籍している。同社広報担当のBarbara Grimesの話では、この契約の終了までには450人以上がIntelに移動する見込みだという。元Alpha開発エンジニアの大半は、Montecito--2個の独立したプロセッサを1チップに集積した2005年登場予定のItanium--の後継となる、Itaniumの新バージョン開発に携わっている。

 Alphaチップは、Sun MicrosystemsのUltraSparcファミリーなど、ほかのサーバ用チップほどの販売数は達成できなかったものの、そのパフォーマンスはアナリストやエンジニアが賞賛するものだった。Alphaは'90年代前半にDECが初めてリリースし、'98年のCompaqによるDEC買収時には、Compaqが同チップを取得。また、その後HPがCompaqを買収し、このチップの所有者となっていた。

 Alphaおよび同チップの開発チームは、ほかの主要なプロセッサに多かれ少なかれ影響を与えている。Advanced Micro Devices(AMD)が発売したオリジナルのAthlonチップは、当初Alpha向けに開発されたバスを採用していた。新しいOpteronチップも高速チップ間接続技術のHyperTransportを採用し、メモリコントローラを内蔵しているが、これらはいずれも元々Alphaで大々的に宣伝された技術だ。AMDのプロセッサ部門トップであるDirk MeyerはAlphaの開発に携わっていた。

 同様に、IntelがPentium 4で採用したハイパー・スレッディング技術も、最初にDECが進めた研究に部分的に刺激を受けている。

 Brannonは、Intelで重要な研究開発者に与えられる肩書きである「Intelフェロー」として、米国時間7月1日付けでIntelに入社した。IBMで同じ肩書きを持つ技術者たちと同様、Intelのフェローも戦略的な技術プランの概略を作成している。なおBannonは、Compaq在籍時に、業界有数のイベントであるMicroprocessor Forumで、IntelのItaniumを蔑視する発言を行ったことで有名な人物でもある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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