NTTデータ(浜口友一社長)は、日本IBM(大歳卓麻社長)、インテル(吉田和正社長)、NTT東日本(三浦惺社長)、マイクロソフト(阿多親市社長)の協力の元に実施した、日本国内初のPCグリッドコンピューティングcell computingR の大規模実証実験の結果を公開したと発表した。
発表によれば、今回の実験にあたっては、昨年12月20日から今年4月30日までの約4ヶ月間に、12,000台を超える多くのPCユーザの参加があり、ピーク時の性能が3T Flops超、時間にして約611年162日13時間分という膨大な計算を行った。これは、平均的なPC1台で処理する場合に611年かかる計算を、約4ヶ月で実施したことになるという。
また今回は、米United Devices社(Ed Hubbard CEO)のミドルウェアベースに開発したプラットフォームを用い、東亞合成(山寺炳彦社長)が行う研究の一環として開発されたアプリケーションを用いた、遺伝子病研究にもつながる「ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見」プロジェクトである「BOLERO(ボレロ)」、NTT物性科学基礎研究所(石原直所長)が行う研究の一環で「光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成」を狙ったプロジェクト「OPAL(オパル)」という、2種類のプロジェクトを実行した。
ボレロでは、当初予定していた5つの染色体(13、14、20、21、22番染色体)のうち、20番、21番染色体の解析を約1.5ヶ月で終え、その他3つの染色体の解析も約4ヶ月で終了。オバルでも、13万個の光学的に新たな特徴をもつ、いわゆるフォトニック結晶候補について約4ヶ月の間に解析を終了し、その結果どんな方向からでも光を反射する結晶構造を持つ新しい材質の候補として116個の結晶構造を発見した。どちらの計算も平均的なPC1台では数百年かかる計算を約4ヶ月で終了したことになるという。
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