IBMは、50〜60歳台に差し掛かるベビーブーム世代のユーザーに向け、障害者用に開発した技術の再利用を進めるという方針を明らかにした。具体的には、同社のGlobal Services部門が8種類の新サービスを提供するとともに、140人のサービス専門家から成るグループを設立し、高齢パソコンユーザーのウェブページ閲覧やウェブ放送の視聴を簡素化する技術の検討に取り組む。
IBMによると、世界総人口の7%に当たる6500万〜7600万人以上がベビーブーム世代に属しているという。同社では、増加しつつあるこうした高齢パソコンユーザーのニーズに対応していく計画だ。
技術再利用の成果について、IBMのGlobal Services部門ストラテジー&マーケティング担当バイスプレジデントのRalph Martinoは、「視覚障害者向けの技術は、1世代前の点字キーボードからハンズフリー技術に発展し、運転中に携帯電話機を使う場合などに役立っている」という例を挙げて説明する。「音声によるアプリケーションの操作、より優れた追跡機器、字幕表示、オンスクリーン(画面表示)キーボードは、障害者を支援するための技術だが、そこから進化させると、高齢パソコンユーザーの助けにもなる」(IBM)
例えばIBMのHome Page Readerでは音声合成技術を使用しており、視覚障害者もウェブページを“読む”ことができる。またIBM Easy Webツールは、視力の低いユーザーにも見やすくなるように、ウェブページの色やテキストを変更する。そのほか、聴覚/視覚の不自由な人向けに、プレゼンテーションの音声/テキスト/スライドを調整するツールもある。
「このようなツールは、老いに向かうとともに老眼鏡を必要としたり、聴力が衰えたりするベビーブーム世代の要望に応えられるだろう。さらに企業が、障害者支援を目的とする米国/欧州/日本政府の標準規格に準拠する際にも役立つ」(同社)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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