UNIXの関連権利を巡って、米SCO Groupと米Novellの法廷闘争が過熱している中で、UNIXに関する別の紛争が粛々と進行している。その中心にあるのは、UNIXの名称そのものだ。
UNIXの名称使用に関して訴えられているのは米Apple Computer。UNIX登録商標の所有権を主張する米The Open Group(別名 X/Open)は、「Apple Computerがライセンス許可なしに、Mac OS XにUNIXの名称を使用した」と申し立てている。これに対してApple Computerは反訴し、「UNIXという名前はすでに一般名称として使用されている」(同社)として、登録商標の無効化を言明するよう裁判官に求めている。
今回の訴訟合戦は、LinuxユーザーによるUNIXソースコードの不正流用を訴えた米SCOの裁判とは別物だが、AT&Tで開発されてから30年以上の月日が経ったUNIXの保護を巡って、さらなる火ダネが生じたことを意味する。
SCO GroupがNovellからUNIX関連技術の知的財産を買い取った際、SCO Groupはその大半をNovellから買い取ったものの、UNIXの名称そのものはOpen Groupに移管された。Open Groupでは、ソフトウェアの試験やライセンス料などを含め、UNIXの名称使用に関するライセンスプログラムを設定している。
Open Groupは2001年12月に、UNIXの登録商標を侵害されたなどとして、Apple Computerを訴えた。しかし、カリフォルニア州サンノゼの米連邦地方裁判所に提訴してから18カ月が経過したにもかかわらず、今だに証拠集めの段階で、まだ審理を行うまでには至っていない。両社は今年8月までに関連書類を交わし、来年2月の審理開始を求めるという。
Apple Computerは2001年3月にMac OS Xを発表した後、そのマーケティングにおいてMac OS XがUNIXベースであることをさかんに謳ってきた。例えば、同社のMac OS Xウェブサイトでは、UNIXベースであることを特集したページがあり、その中に「UNIX Based」と表記された、ロゴマークのような銀色の画像ファイル(GIF)を挿入している。
Open Groupの最高運営責任者(COO)、Steve Nunnは「我々も一時期、同様のロゴを使っていた。(Apple Computerのやり方は)我々が最も嫌うタイプのものだ」と語っている。Open GroupではApple Computerに対し、(1)Mac OS XがUNIXのソフトウェア規格に適合することを試験で実証すること、(2)販売数に応じたライセンス料を支払うことを求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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