ドイツのLinux支持団体LinuxTagが裁判所に求めていたSCOに対する差し止め命令が認められたのを受け、SCO Groupは、ドイツの自社ウェブサイトを閉鎖した。
LinuxTagの声明によると、SCOが独自に開発したUnixコードがLinuxにコピーされたとして、Linuxを使用する企業に対して「法的手段も辞さない」との書簡を大手企業1500社に送付した件に関し、同団体の弁護士は5月23日、SCOの行為は公正な競争の阻害行為に当たると同社に通告したという。
「SCOは、根拠のない主張により、競合他社に損害を与え、顧客を脅し、さらにGNU/Linuxのオープンプラットフォームとしての名声に継続的損傷を与えている。こんなことは許されるべきではない」とLinuxTagのMichael Kleinhenzは声明の中で述べた。LinuxTagはSCOに対し、5月30日までにその主張の証拠を発表するか、主張を撤回するかの二者択一を迫った。
これを受け、SCOは同社のウェブサイトから書簡のコピーを削除したが、その後「LinuxTagが求めていた、SCOに対する一時差し止め命令が裁判所で認められた」、と新たにSCOに主任法律顧問に就任したRyan Tibbittsは述べた。同氏によると、SCOは実際の命令の内容をまだ確認できていないので、用心のためサイトを完全に閉鎖するよう命じたという。
「裁判所との衝突は避けたかった」とTibbittsは語る。「命令の内容を隈なく見ていないため、具体的に何を禁じられたのかはまだ確認できていない。用心のためドイツのウェブサイトを完全に閉鎖しただけだ」(Tibbitts)
SCOのサイト閉鎖は、オープンソース運動の法的、哲学的基礎に対するSCOの攻撃と戦っているLinuxファンにとって、小さな、しかし1つの勝利といえる。SCOの一連の行動は、同社がIBMを提訴するためにLinuxのソースコードの調査を開始したことに端を発している。この裁判でSCOは、IBMがUnixからLinuxへ技術を移す際、SCOの企業秘密を不正に流用し、同社との契約に違反したと主張し、総額10億ドルの損害賠償を求めている。
しかし先週SCOにとってより大きな痛手となる出来事が発生した。SCOの前身であるCalderaにUnixの権利を売却したNovellが、Unixの著作権や特許権をSCOに売却した事実を完全に否定した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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