ドイツのSuSE Linuxは米国時間5月15日、今後も企業向けLinuxディストリビューションであるUnitedLinuxを全面的にサポートする姿勢を明らかにした。
UnitedLinuxの共同開発メンバーである米SCO Groupは、「Linuxには当社のUnixに関する知的財産が違法に使用されている」と主張しており、5月14日に自社バージョンLinuxの販売中止を発表した。また同日、世界の大企業約1500社に書簡を送付し、Linuxの利用によって法的責任を問われる可能性がある、と警告した。
SCOは、同社のライセンスを受けている米IBMを相手取って、訴訟を起こしている。SCOの主張は「IBMがLinux事業において、SCOの知的財産を不正利用した」というもの。SCOは、14日に送付した書簡により、訴訟の相手を、Linuxベンダーやユーザーはもちろん、UnitedLinuxの共同開発メンバーまで一気に拡げたことになる。
SuSEは、UnitedLinuxの開発メンバーの中でも、SCOの攻撃対象になりやすい立場にある。UnitedLinuxのコードは、SuSEのEnterprise Serverソフトウェアを基盤としているからだ。
SuSEのコーポレートコミュニケーション担当バイスプレジデントのJoe Eckertは、SCOの行動に驚きを隠せない。「SCOがなぜこのような行動を起こしているのか、全く腑に落ちない。当社のLinux製品が、SCOの知的財産を違法に使用しているはずはなく、SCOもこれまでそのような指摘を一切していない。当社では、オープンソースであろうとなかろうと、製品で使用するすべてのコードが適切なライセンス契約に準じていることを厳密に管理している」(同氏)。Joe Eckertによると、SCOはSuSEの問い合わせに対して、ノーコメントだという。
SuSEは、UnitedLinuxのコードをこれまで通り採用する意向だ。「UnitedLinuxは、当社、SCO、ターボリナックス、ブラジルのConectivaが共同で開発した。SCOの主張や訴訟に関わらず、今後もUnitedLinuxを無条件にサポートする」(同氏)
SCOは、LinuxのどのコードがSCOの知的財産権を侵害しているかについて、具体的な内容を示していない。ちなみにSCOは、同社が所有するUNIXの知的所有権から、より積極的にライセンス料を徴収するというSCOsource戦略を進めている。SCOsourceの責任者のChris Sontagは、「詳細は法廷でいずれ明らかになる。関係者は今後数週間で、当社の主張を裏付ける証拠をみることができるだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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