IBMは米国時間5月14日、同社の「オンデマンド」コンピューティング戦略をよりスピーディーに進めるため、ソフトウェア開発会社Think Dynamicsを買収したと発表した。
Think Dynamicsのソフトウェアは、データストレージやサーバといった機器の自動管理により、企業のコンピューティングリソース管理を手助けするという、dynamic provisioning(自動提供)機能を扱うもの。同社のソフトウェアは、突然の要求増や機器の故障に対応できるよう、その場で自動的にコンピューティングリソースの再配分を行なう。
Think Dynamicsは、カナダのトロントに本社のある従業員36人の企業。買収額は明らかにされていない。IBMは同社買収により、オンデマンド・コンピューティング戦略に新たな要素を追加することになる。オンデマンド戦略は、自己管理および修復が可能なITシステムの構築を目指す、IBMの比較的新しい計画だ。
IBMは、オンデマンド製品をできるだけ素早く発売するための能力を、社外に求めることにし、今回の契約締結に至った。今後も同様の買収を行なう可能性がある、とIBMのオンデマンド計画総合責任者Wladawsky-Bergerは述べている。
Think Dyanmicsは、今回の買収でIBMのSoftware Groupの一部となる。IBMはThink Dynamicsソフトウェアをベースに、新たなTivoliブランド製品を発売する予定。このソフトウェアは、IBMのSystem GroupおよびGlobal Services部門でも利用される見込み。
このソフトウェアは、あらかじめ設定されたポリシーに従ってコンピュータリソースを監視し、要求や故障などの変化に応じて他のソフトウェアやサーバー、ストレージシステムなどの再配分をを行なう。このソフトウェアは、UnixやLinux、Microsoft Windowsなどさまざまなオペレーティングシステム(OS)に対応し、新たなネットワークに統合したり、既存のネットワークに追加することも可能だ、とIBMでは説明している。
Think Dynamicsは、IBMのSoftware Groupで新ソフトウェア製品の開発を行なうほかに、Global Services部門でも一定の役割を担う見込みだ。Global Services部門では、オンデマンド・コンピュータシステムを顧客が構築する際の手助けに、Think Dynamicsのソフトウェアを使用する予定。IBMでは、顧客が独自ネットワークを構築する際の手助けをしたり、顧客と協力し、コンピューティングリソースのホスティングを行なうという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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