デジタルカメラ向けデジタル画像処理チップを開発・販売するニューコアテクノロジーは5月14日、イメージプロセッサの新版「CleanCapture」を発表した。
CleanCaptureはアナログプロセッサ「NDX 1260」とデジタルプロセッサ「SiP 1270」の2種類で構成される。赤・青・緑の光の三原色について個別の設定を可能にすることで、ホワイトバランスを調整して画像のノイズを抑えた点が特徴だ。他社製品では個別の色調整は不可能で、同社はこの技術に関して特許を取得している。
同製品のもうひとつの特徴は、JPEGファイルのサイズ縮小が図れる点にある。他社製品を利用したデジタルカメラは1メガピクセルあたり平均400メガバイト必要なのに対し、同社製品を利用すると約半分の200メガバイトにまで圧縮される。
CleanCaptureについて説明する ニューコアテクノロジー創設者・最高技術責任者の渡辺誠一郎氏 | |
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同社の創設者であり最高技術責任者(CTO)の渡辺誠一郎氏によると、この技術は特に携帯電話において有効という。カメラの高画質化に伴ってファイルサイズが増大しており、携帯電話の通信速度で画像を送信するには時間がかかりすぎる点が問題視されているからだ。現在、世界におけるカメラ付携帯電話の市場は2004年に1億4200万台にまで拡大すると予測されており、デジタルカメラの3700万台、デジタルビデオカメラの1200万台に比べ圧倒的に大きい市場だ。同社ではデジタルカメラだけでなく、カメラ付携帯電話機やデジタルビデオカメラにおいても、同製品の採用を促していく方針だ。
CleanCaptureはすでにサンプル出荷を開始しており、同プロセッサを搭載した製品は第3四半期より順次発売が開始される予定。ただし、同プロセッサを採用した具体的な企業名や製品については「近々お話できると思う」(ジェームズ・チャップマン社長兼最高経営責任者)として、明らかにはしなかった。
ニューコアテクノロジーは1997年、元インテルの渡辺氏らによって日本のつくば市とシリコンバレーで同時に創業された。日米の大手ベンチャーキャピタルから投資を受けており、今年1月にも米クロスリンク・キャピタルやジャフコ(JAFCO)などから新たに2200万ドルの資金調達を行っている。2002年には米国で将来最も成功するであろうと思われるトップ10の株式非公開企業に選出されるなど、日米で大きな注目を集めている企業である。
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