日本IBMは5月9日、グリッドコンピューティング事業を強化すると発表した。具体的には、同社の日米欧3拠点を結んだグリッドシステム検証機能の提供、商用化に向けた国内のパートナー企業との協業、新たに農業化学/エレクトロニクス/高等教育(大学)の3分野向けソリューションの提供を行う。
グリッドコンピューティングとは、ネットワークに接続されたサーバやストレージ、ソウトウェア、データ資源を必要に応じて協調動作させ、全体として極めて高い演算性能を実現したり、大規模なストレージシステムを構築したりするための技術である。
同社では、幕張事業所(千葉県千葉市)のe-ビジネス・オンデマンド・デザイン・センターを通じ、グリッドシステム検証機能を提供していく。「当センターと米ポキプシー、仏モンペリエの日米欧3拠点を結び、大規模なグリッドシステムの検証を行えるようにする。これを活用することで、顧客は自社のシステム規模に最適なグリッド環境を事前検証でき、システム構築の検討/開発時の生産性向上が可能となる」(同社)
また同社はグリッドコンピューティングの商用化利用を促進するソリューションの開発を支援するため、ソフトウェアベンダーなどと協業する。国内のパートナー企業は以下の通り。アクセルリス、エムエスシーソフトウェア、日本アルゴリズミックス、日本イーエスアイ、シスコシステムズ、マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン、NTTデータ、コベルコシステム、日本総合研究所、ビーコン インフォメーションテクノロジー。
同社は、これまで航空・宇宙産業、自動車産業、金融市場、行政機関、ライフサイエンス、石油産業(米国のみ)を対象とするグリッドコンピューティングソリューションを提供してきた。同日の発表により、新たに農業化学、エレクトロニクス、高等教育(大学)の3分野に対してもソリューション提供を行うことになった。これらソリューションはさまざまなプラットフォームが混在する環境にも適用可能であり、グリッドの標準仕様であるOGSA(Open Grid Services Architecture)準拠とする。
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