Microsoftは7日、ニューオーリーンズで開催中のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で、デスクトップパソコン用Windowsの次の主要バージョンLonghornは2005年発売予定で、新レベルのパソコングラフィックスの到来を告げるものとなる、と述べた。
Microsoftは2004年中に、「2、3のベータ」テストバージョンをリリースする計画だが、Longhornの最終バージョンが発売されるのは2005年以降になる、とMicrosoftのWindows Client部門上級副社長Will Pooleは、同会議でのスピーチでコメントした。
「MicrosoftはLonghornに全力を傾けている。Longhornは、わが社にとって大きな賭けだ。Longhornは、人々が目にするコンピュータ画面上の様子をガラリと変えるものとなるだろう。」
MicrosoftはLonghornで、コンピューティング体験の視覚的な品質向上を目指している。目標はLonghornを、1インチあたり120ドット(120 dpi)以上の解像度のスクリーンで稼動できるようにすることだ、と同社代表はWinHECのLonghornプレベータバージョン・デモの際に語っている。
このスクリーン解像度は、現行のスクリーンよりもはるかに細かい。現行の17インチSXGAディスプレイでは、1平方インチあたり約95ドットの解像度だ。ドットが多ければ多いほど、より鮮明で、輪郭のはっきりした画像が得られ、高解像度画像もより見やすくなる。
グラフィックチップの開発元であるNvidiaの最高経営責任者(CEO)Jen-Hsun Huangは、「Longhornでは、デスクトップ上の有り様が一変するため、ユーザーが得る体験は全く驚くべきものとなる」と6日に述べている。
新Lonhornはまた、MicrosoftのSQLデータベース開発から派生した、新ファイルシステム開発作業と密接に関連している。Windows Future Storage(WinFS)と呼ばれるこの新ファイルシステムは、パソコンのハードディスク内やネットワーク上での情報検索を簡単に行えるよう設計されている。WinFSは、ファイルの保存、アクセス、インデックス付けのための新方式で、現行のNTFSおよびFAT32ファイルシステムに置き換わるもの。ちなみに、Window XPやそれ以前のWindowsバージョンでは、NTFSやFAT32といったファイルシステムが採用されてきている。
Longhornのグラフィックス機能
またMicrosoftの代表は7日、Longhornの初期テストバージョン上で、アプリケーションの画面サイズを縦横比一定に縮小するアプレット(短時間でダウンロードし、コンピュータのウェブブラウザ上で稼動できる小さなプログラム)のデモを行った。このアプレットでは、2つ並んだ全く同じ電卓で、片方を他方よりかなり大きく表示させていた。現行のWindowsパソコンでは、アプリケーションは同じ解像度でないと相似形には見えない。
しかし同社代表によると、このアプレットはまだ開発途中だという。異なる解像度のアプリケーション間をマウスが移動できるようにするのが、アプレットの開発で難しいポイントだと同社代表は話している。
さらにLonghornは、パソコンを家庭エンターテインメントネットワークの中枢にしようとするMicrosoftの戦略を引き継いでいる。同社は予想されていた通り、WinHECで、現行バージョンのWindowsで同戦略を推し進める新技術のデモを行なった。
たとえば、MicrosoftとATI Technologiesが共同開発したセットトップボックスは、パソコン上に保存されている画像やビデオをテレビモニタ上で閲覧できるようにするもの。これは現在の技術でも実現できるが、ユーザーはそのためにパソコンを居間に持ち込んで、テレビと配線しなければならない。
ATIとMicrosoftのセットトップボックスは、Windows CE .Netオペレーティングシステム(OS)を搭載し、テレビと接続してパソコンとテレビ間のデータ伝送を行なう。
Microsoftはまた、ファイル交換を容易にするメディア伝送プロトコルと、パソコンとオーディオ機器との接続プロセスを簡素化するドライバセット、Universal Audio Architectureを正式発表した。
機能およびユーザビリティ上のこのような改善によって、最終的には人々の購入サイクルが活気づくだろう、とアナリストらは述べている。「消費者や企業が、いま持っているもので十分だとなぜ感じてしまうのか、この点を考えるべきだ」(Poole)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力