米Microsoft会長のBill Gatesが米国時間5月6日、ニューオリンズで開催中のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)の基調講演で、将来バージョンのWindowsの構想について語った。
Gatesは、Palladiumとして知られていたセキュリティテクノロジー、Next-Generation Secure Computing Base(NGSCB)が、やがて全てのパソコンに搭載されると予測している。「サードパーティーのコードを動作させているときも、暗号化によるセキュリティを確保し、システム上の秘密情報を保護する」(Gates)という。なお、Microsoftは5月6日に、プロトタイプで稼動するNGSCBコードを初公開する。
サーバ分野では、Microsoftは先ごろリリースしたWindows Server 2003で、引き続きUnix-RISCの牙城を切り崩すことに努める。サーバーOS推進の一環として、同社はWindowsで複数のタスクを同時に処理できるように設計する方針だ。これはちょうど、1つのプロセッサに2つ以上のコンピューティングコアを搭載しようとする半導体業界の動きと一致している。「超高速のコアを複数搭載する方が、動作速度を高めるより安くつく。PCサーバは今や、最大64ウェイ構成の中で、トランザクション処理能力が最も優れている」と、Gatesは誇らしげに語った。
「PCがもっとも速い、という結果がどのベンチマークテストでも出ている。Unixベースのシステムでこれを上回る結果を出せると思う人は、ぜひとも挑戦してみてほしい」(Gates)
同社はまた、効率性を高めるためにタスクを割り当てる、負荷分散ソフトウェアの改善に取り組んでいる。Microsoftのソフトウェアは現在、サーバ間でタスクを割り当てることができるが、将来のDynamic Data Centerでは、ストレージデバイスやネットワーク装置にも、タスクを分散できるようになる。
同社は今後も、製品のクラッシュや欠陥に関する内部データを開発者や顧客と共有し、Windowsの欠陥や互換性の問題に対処していく方針だ。Gatesは、おびただしい数のクラッシュに見舞われた某ファイアーウォール企業を例に挙げた。その会社はMicrosoftと共同で対策を取ることで、クラッシュ数が激減したという。「法人顧客には情報を一部提供する。これらのデータにより、顧客はやがてどの企業のハードウェアが最適か判断できるようになる」(Gates)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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