米SCO Group(旧称Caldera International)が米IBMを相手取り、「Unixのライセンス契約に違反した」として提訴していた件で、IBMは米国時間4月30日、反論書面をユタ州地裁に提出した。
SCOの主張は、IBMがLinux事業を推進するためにUnixソフトウェアのライセンスを不正使用し、不当な競争を生み出したというもの。またSCOは、IBMがオープンソースコミュニティーにUnixソフトウェアの機密情報を漏洩し、「Unixのすべての価値を意図的に破壊しようとした」として10億ドル以上の損害賠償を求めている。
SCOは、同社が所有するUnixの知的所有権から、より積極的にライセンス料を徴収するというSCOsource戦略を1月に発表した。以来、急速にこの戦略を推進している。「IBMは確かにUnixの永久使用権を有しているが、その権利は契約違反がないことを当社が認めた場合に限る」(SCO)。
IBMは18ページにわたる書面で、SCOの主張は確証事実がないとして否定し、「SCOがLinuxなどを開発しているオープンソース・コミュニティの作業を遅らせようとしている」と非難した。
しかし同書面からは、IBMの訴訟戦略は明確につかめない。米Carr & Ferrellの知的財産弁護士のJohn Ferrellは、IBMが次の3つの理由のうち少なくとも1つを主張すると推測する。すなわち、1)UnixソフトウェアはすでにIBMの技術に統合されていたため不正使用にはあたらない、2)IBMは他社からUnixテクノロジーの供与を受けた、3)IBMのUnix系OSであるAIXは、他社により開示されていた。
IBMは陪審裁判を要求しているが、実現は約2年先になるとFerrellは予測する。「IBMは裁判開始までに、裁判地を変更したり独自の証拠を秘密にするなど、さまざまな戦法を取るだろう」(Ferrell)
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