OASIS、Webサービス標準化でW3Cと別路線へ

 XML関連の標準化団体OASISは米国時間4月29日、Webサービス標準のBPELに関する技術委員会、Web Services Business Process Execution Language(WSBPEL)TCを正式に発足させた。BPELは煩雑な業務プロセスを自動化するための標準で、IBM、Microsoft、BEA Systems、SAPなどの企業がOASISに提出したものだ。

 BPEL作成に関わったこれらの企業は、5月16日に開催されるWSBPEL TCの初回会合において、BPELをロイヤリティフリーの条件で正式に提出する予定だ。つまり、BPELが承認された場合、他の企業はロイヤリティーを支払うことなくBPEL準拠の製品を開発できるのだ。

 BPEL準拠製品により、企業は保険請求などの複雑な業務プロセスを自動化するWebサービスアプリケーションを簡単に構築することができる。

 OASISでのBPEL標準化の取り組みは、さまざまな物議をかもしている。ウェブ標準化団体のWorld Wide Web Consortium(W3C)は、今年初めに作業部会WS-Choreography Working Groupを設立し、Webサービスの業務プロセス自動化について、重複する標準をまとめようとした。IBMとMicrosoftは標準化プロセスへの参与を打診されたが、IBMは参加を断り、Microsoftは同作業部会の初回会合に出席した後に脱退した経緯がある。

 W3Cを支持する企業は「OASISと比較した場合、W3Cの方がWebサービスの標準化に適している。ロイヤリティーや特許などの方針が明確だからだ」と語る。W3Cの策定プロセスでは、標準に付随する知的財産はロイヤリティーを請求できないことになっている。MicrosoftとIBMの幹部は「BPELの標準化にW3CでなくOASISを選択したのは、OASISがすでにWebサービスのセキュリティなど、IBMやMicrosoftが支援するWebサービス規格の策定に取り組んでいたからだ」と述べ、ロイヤリティーを課す意図がないことを示唆した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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