米Microsoftは4月24日(米国時間)、Office 2003デスクトップ用ソフトウェアのベータ版を6月に配布する計画を認めた。同社は既に2つのベータ版を配布しており、3度目のベータ版配布は当初計画にはなかった。これに伴い、今年夏に予定されていたOffice 2003の発売開始も遅れざるを得ないことになる。アナリストは同商品の発売時期は2003年10月か11月ごろまで遅れると予測している。
ユーザー企業が新しいOfficeへの移行する際には、通常1年またはそれ以上のテスト期間を置くため 、同商品の発売の遅れが大半のユーザー企業に与える影響はさほど大きくはないだろう。
しかし、常に最新の技術の提供を受けられることを約束するLicensing 6のライセンス契約が10月末で切れる企業もあり、これらの企業ではそれまでにOffice 2003にアップグレードできると期待していた可能性がある。それが出来なければ同社の提唱するSoftware Assuranceへの信頼が下がり、Licensing 6への批判の声がさらに大きくなる可能性がある。
さらに、OfficeシリーズはMicrosoftの商品売上高の約4分の1を稼ぎ出すドル箱商品であるため、Office 2003の発売の遅れは同社の収益に長期にわたって相当の影響をもたらすかもしれない。
MicrosoftはInfoPath、OneNoteなどの新しいOffice商品や、Exchange Server 2003のテストや発表準備も並行して進めており、またOfficeに搭載予定の新機能の中には、まだテスト中の他の商品との連携を必要とする機能もある。同社のサーバとクライアントの機能の統合を進めようという戦略が裏目に出て、ある商品の開発の遅れが複数の商品の発表をも遅らせることになると指摘するアナリストもいる。
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