2003/04/22 13:54
Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間4月22日に、サーバ向け64ビットプロセッサOpteronをリリースする。同プロセッサのリリースはAMDにとって、企業市場に攻勢をかけ、うまみの多いサーバ市場に食い込む絶好のチャンスとなる。
Opteronは、性能向上を引き出すための2つの重要な機能を備えている。LSI間の高速接続技術HyperTransportと、メモリ/プロセッサ間のデータ伝送を高速化する統合メモリコントローラである。AMDが行ったベンチマークテストによれば、OpteronはIntelのXeonの性能を上回ることになるという。
もう1つOpteronで重要となるなのが、32ビット版と64ビット版のいずれのソフトウェアも使用できるという点である。デスクトップパソコンや小規模サーバ向けの32ビット版Windows/Linux向けソフトウェアは、すでに世界中で数多く出回っている。また、ハイエンドサーバ向けには64ビット版ソフトウェアも存在する。こうしたソフトウェアがOpteronで稼働し、その種類は、企業が現在導入しているアプリケーションやOSのそれとほぼ同じものになる。そのためOpteronには、導入が容易で導入時のコストも低く抑えられるというメリットが生まれる。
それに対し、Intelでは1つのプロセッサで32/64ビットの両方に対応していない。32ビットのパソコン/ミッドレンジサーバ向けにはPentiumやXeonを用意し、64ビットにはItanium 2を用意しているのだ。つまりそれぞれの市場に対し、個別のプロセッサを提供している。PentiumとXeonでは同じソフトウェアを使用できるが、Itanium 2ではそれができない。コードが全く異なるからだ。このため、Itanium 2向けソフトウェアの開発やテストには多くの時間がかかっているというのが現状だ。
「Itaniumでは“ソフトウェアの分離”が起こっている」とアナリストらは指摘する。これが、部分的ではあるが、Itanium向けソフトウェアの売れ行きにマイナスの影響を及ぼしているという。AMDのシニアバイスプレジデントDirk Meyerは、「Intelも最終的には(32ビットと64ビットに)両対応せざるを得なくなるだろう」と語る。「もし我々が存在しなければ、IntelはItaniumをユーザーに押しつけることができたろう。しかし、我々は存在する。我々がこれからOpteronという選択肢を提供していくのだ。そうした状況では、たとえIntelのような独占企業でも、ある時点で顧客の要望に応えざるを得なくなるだろう」(Meyer)
なお、AMDのここまでの道のりは順調とは程遠いものだったと言える。AMDの業績は、過去16年間で赤字が半分、黒字が半分だった。1986年以降の総純利益は、資産買収や売却などを含めて3億5000万ドルとなるが、これはIntelが約6週間で稼ぎ出す金額である。Opteronの市場投入時期についても、本来は2001年後半の予定だったが、技術的問題などが起因して大幅にずれ込んだ。Opteronの動作周波数も予定を若干下回る1.8GHzとなり、当初の計画通りにはいかなかった。AMDにとってIntelはライバルである。しかしIntelには、開発スタッフ、製造工場、資金などの面で大きく水をあけられているのが現状である。
ただし、AMDの幹部やアナリストの大半はAMDをとりまく今後の状況について、「これまでとは違う」と断言する。「無計画な製造を行っているという噂が流れたこともあったが、我々はそれを払拭した。当社の半導体設計チームは世界レベルである」(AMD)とする。また、米Mercury Researchの主席アナリスト、Dean McCarronは、「過去10年間、AMDは危機的状況に足を踏み入れていたが、見事に復活した。Opteronは企業サーバ向けのプロセッサとして信頼性がある。Opteronがけん引役となれば、AMDの今後のリリースも受け入れられるだろう」と語っている。
今週、米RackSaverなどの小規模メーカーがOpteron搭載のサーバをリリースする予定である。またIBMなどの大手企業もこれに続くとみられている。そうなった場合、AMDはこれまでのコンシューマ/小規模企業向けマーケットだけではでなく、全ての市場セグメントでIntelと競争できるようになる。現在はMicrosoftやIBM、そしてLinuxベンダーなどがOpteron向けソフトウェアの開発に当たっているという。
なおAMDは、デスクトップ向けの64ビットプロセッサAthlon 64を今年9月にリリースする予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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