ファブレス半導体メーカーへ投資が集中、2期連続の増加

 「ファブレス半導体メーカーへのベンチャー投資は2期連続成長」---米国のファブレス半導体協会(FSA)は米国時間4月9日、ファブレス半導体メーカーへのベンチャー投資に関する報告書を発表した。

 それによると、ファブレス半導体メーカーのベンチャー投資額は2002年第3四半期が2億9880万ドル、同年第4四半期が3億4400万ドル、2003年第1四半期が4億2340万ドルと2期連続で増加したという。これは2000年以降、「初めての連続成長」(FSA)となる。

 しかし、この連続成長を回復基調とみなすのは時期尚早のようだ。「2期連続成長は、確かに良い兆候だ。だが回復傾向にあると判断するのは、少なくとも連続成長が3期に及んでからだろう」(米Semico Researchの設立者兼会長のJim Feldhan)

 アナリストはベンチャー投資が増加している理由として、「チップの平均価格が上昇していることと、2003年のファブレスチップ市場で15%程度の成長が見込まれるため」と語る。

 「ベンチャーキャピタル業界は引き続きファブレス半導体メーカーに投資を行なうだろう。しかし、その規模は過去3年間に比べると控えめだ」(米Sequoia Capital共同経営者のMark Stevens)

 ファブレス半導体業界は2003年に盛り返しが見込まれるが、その道は新興メーカーにとっては厳しいものになりそうだ。半導体業界の再編成が行われているため、投資家は出資先を慎重に選択する。

 投資家が最も注目するのは、「既存の規格を用いてチップを開発し、かつ大量生産が見込める企業」(Stevens)だという。その代表例が米Matrix Semiconductorだ。Matrixは2003年第1四半期に投資を受けたファブレス半導体メーカー35社の中で、最高額の5200万ドルを調達した。同社が開発と製造を手がけているのは標準的な材料と技術を利用したフラッシュメモリ用チップだが、その用途は携帯電話やデジタルカメラなど、成長が著しい分野すべてに及んでいる。このため投資が集中する結果となった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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