米CodeWeaversは米国時間2月24日、CrossOver Officeのサーバ版を発表した。Linuxサーバで、Microsoft Office製品などのWindowsアプリケーションをホスティングするためのソフトウェアである。クライアントは、ウェブブラウザを介してこれらのアプリケーションを利用できるようになる。
CodeWeaversはLinux用のWindowsエミュレーションソフトを手がける企業。今回のCrossOver Officeサーバ版はTarantellaのサーバソフトウェア、Enterprise 3を利用する。この組み合わせにより、管理者はWordやOutlookなどのWindowsアプリケーションが稼働するLinuxサーバを導入することができる。その結果、LinuxやUNIXのユーザーは特別なクライアントソフトを利用することなく、ウェブブラウザさえあれば、Windowsアプリケーションを利用できるようになる。
Microsoftは「LinuxはWindowsと競合する」と考えているようである。そのため、同社のアプリケーションはLinuxで直接利用することができない。そこでCodeWeaversなどのデベロッパは、デスクトップパソコンでのLinux導入を魅力あるものにすべく、このような障害を打破しようと対策を練ってきた。
LinuxクライアントでMicrosoft Officeを利用できるソリューションはほかにもある。しかしCodeWeaversよれば「CodeWeaversのシステムは他の製品よりもはるかに安い」という。例えばMicrosoftは、Terminal Serverを販売している。これはネットワークを介してアプリケーションサービスを提供するためのWindowsソリューションである。Citrix Systemsも同様の機能を持つソフトを販売している。ただし、こうしたシステムはサーバでWindowsを走らせる必要がある。またクライアントごとにライセンス料がかかる点もLinuxとは異なる。
CodeWeaversのソフトウェアは、LinuxやUNIXなどのOS上でWindowsとの互換性を持たせるためのオープンソースプロジェクト、Wineをベースにしている。CodeWeaversはこれまでLinuxクライアント向けのWindowsエミュレーションソフトウェアを販売していたが、サーバ市場には参入していなかった。
Tarantellaの技術はCitrixのそれと類似している。ただしTarantellaがCitrixと違うのは、Java対応のブラウザ上で動作する特別なクライアントが不要であるという点である。なお今回CodeWeaversが発表したシステムはLinuxとSolarisのクライアントに向けたものである。WindowsとMac OS Xへの対応については、まもなく発表するという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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