米Red Hatと米Intelは、Red HatがIntelのオープンソース・プロジェクトに協力するうえで障害となっていたライセンス問題に関して和解に達した。Intelが先週、ソフトウェアプロジェクトのライセンス条件を改訂したことで、両社の対立は終わりを告げた。
対立の焦点となっていたのはIntelのインタープリターで、LinuxをはじめとするOSに使用される電力管理ソフトウェアのコンポーネントの1つ。Red Hatはこのインタープリターのオープンソース・プロジェクトに協力する意向だったが、ライセンスに関する法律上の問題がRed Hatの協力を阻んでいた。この問題は、商用技術とオープンソース・コミュニティーの間で生じる可能性のある摩擦を暗示するものといえる。
Intelのインタープリターは元来2つのライセンス、つまりオープンソースのGPL(General Public License)とプロプライエタリのCA(component architecture)のもとで管理していた。しかし、Red HatがGPLの範囲内の強化機能を申請しようとしたため、Intelがこの強化機能をCAライセンスに準拠するプロプライエタリ製品に組み込めなくなるという状況が発生したのだ。
この問題を解決するために、IntelはGPLバージョンのインタープリターのライセンスを拡張し、GPLより柔軟なBSDライセンスのバージョンを追加した。GPLはこれがカバーするソフトウェアに追加された全改良がGPLに従うことを義務付けているが、デュアルライセンスならGPLのこの規定を回避できる。このため、プロプライエタリとオープンソースの両方で強化機能を追加できるようになった。
Intelのモバイルプラットフォーム部門のプリンシパルエンジニアGuy TherienはCNET News.comに対して、「これにより誰もがコードの改良に協力できるだけでなく、Linux以外のOSのユーザーも改良を加えたコードを使用できる」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」