米IBMなどのハイテク企業が協力して、米国国防総省が推進する天然痘の治療薬開発を支援するプロジェクト、Smallpox Research Gridを立ち上げた。世界中の利用されていないコンピュータ能力を集め、新薬開発に役立てようというもの。米国時間2月5日、参加企業が発表した。
Smallpox Research GridにはIBMのほか、グリッドコンピューティング技術の米UnitedDevicesや、米Accelrys、独Evotec OAIといった医薬品関連のハイテク企業が協力している。
パソコンを使用している人なら誰でもコンピュータ能力を提供できる。専用のスクリーンセーバーをウェブサイトからダウンロードし利用すると、パソコンの待機状態中にそのコンピュータ能力が新薬分析に利用される。世界中の何百万ものコンピュータをグリッドで構成して、処理能力を高めるというわけだ。例えば、200万台のコンピュータが集まれば、1秒間に1100兆回の演算が可能になるという。
IBMはこのプロジェクトにp690 Regattaサーバ、DB2ソフトウェア、業務用ストレージサーバSharkシステムなどを提供し、バックエンドのインフラを支援する。なおグリッドコンピューティングは現在主に研究機関で使われているが、IBMは企業市場においても有用と考えているようだ。同社は先月、企業向けのグリッドコンピューティング製品を10製品発表したばかりである。
天然痘は、ワクチンは存在するものの、治療薬の開発が進んでいない。同プロジェクトを利用して研究を行うのは英国、米国、カナダの大学/研究機関。具体的には、英国のOxford大学およびEssex大学、米国のRobarts Research InstituteおよびSloan-Kettering Cancer Center、カナダのWestern Ontario。これらの研究成果は国防総省に提出されることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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