ドイツ政府がKDEを支援

 Linuxのデスクトップ環境の1つとして知られるKDEの最新版「KDE 3.1」が1月28日にリリースされた。今回はドイツ政府が資金提供して発足したグループ、Kroupwareが開発に加わった。

 ドイツ政府は昨年、オープンソースのソフトウェア開発を目的として、Erfrakon、Intevation、Klaralvdalens Datakonsultの3社にに資金を提供した。これにより9月に発足したのがKroupwareプロジェクトである。

 Kroupwareが開発を行っているのは2つのソフトウェア。1つはKolabと呼ばれるサーバソフトである。電子メール、カレンダー、顧客リストなどを管理する機能を持ち、MicrosoftのExchangeと同様の働きをする。もう1つは、これらの情報にアクセスするデスクトップクライアント。こちらはKDE版Outlookである。

 今回リリースされたKDE 3.1では、2つのクライアント技術が追加された。メールソフトのKMailでは、暗号添付ファイルを扱える機能が備わっている。カレンダーソフトKOrganizerはExchange 2000サーバとの通信が可能となった。

 「このほかの機能についてもすでに完成しているのだが今回は搭載しなかった。2003年後半にリリース予定のKDE 3.2で搭載するつもり」(KDEの開発者団体、KDE League会長のAndreas Pour)

 KDE 3.1の新機能についてPourは、「企業ユーザーを意識した」と説明する。その1つがキオスクモード。これは、管理者が設定したブックマーク、メニューオプション、壁紙などをユーザーが変更できないようにする。そもそもインターネットカフェや空港などの不特定多数の人が共有するコンピュータに向けたものだったが、企業でも有用という。

 もう1つは遠隔管理機能。これにより管理者は遠隔地のコンピュータを操作できる。例えばボタンのクリック、プログラムの起動という操作も可能になる。

 3.2版ではさらなる機能強化があるとPourは期待する。例えば、KDEのウェブブラウザーKonquerorが強化されるという。米Apple Computerが今年はじめにリリースした自社ブラウザーSafariには、KonquerorのレンダリングエンジンKHTMLが採用されている。Pourは、「Appleの影響で、プロジェクトも活気づくだろう」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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