ソニーは1月28日、システムコンサルティング/インテグレーション会社であるシーアイエスを完全子会社化すると発表した。ソニーグループ内での情報システム企画や設計、プロジェクト管理等の上流工程を一層強化することが子会社化の主たる理由。
右よりシーアイエス戸高修氏、ソニー執行役員専務近藤章氏、SISS佐藤和朗氏 |
両社は2001年7月に、経営・情報コンサルティング会社であるジェンシスコンサルティングを共同で設立するなど、これまでも密接な提携関係にあった。今回の子会社化は、ソニーの情報システム子会社であるソニーインフォメーションシステムソリューションズ(SISS)とシーアイエスを今年7月に合併させ、新会社を設立することが前提となっている。
株式交換比率は、シーアイエスが自己保有する自己株式5000株を消却した後、同社の普通株式1株に対してソニーの普通株式8.74株を割当て交付する。1月28日現在の終値をもとに計算すると買収金額は52億7800万円になる(シーアイエスの店頭市場での時価総額は45億9700万円)。5月1日に株式交換を実施する予定。
新会社の代表取締役社長にはシーアイエス代表取締役社長の戸高修氏が、同代表取締役副社長にはSISS代表取締役社長の佐藤和朗氏が就任予定。
この動きは、シーアイエスが約10数年間取り組んできたシステム設計における上流工程の強みをソニーグループ内部でのニーズ拡大に対応させたいという意図から、昨年12月より交渉が進んでいたもの。現在シーアイエスのソニーに対する売上げは「ほんの数%」(戸高氏)とのことだが、今後はこの比率が高くなると見られる。また新会社では、ブロードバンド技術でネットワークインフラからアプリケーションまでを統合し、必要なサービスを必要な時に提供する新サービス、System on Demandの推進も図る。
今回の子会社化で、シーアイエスの戸高氏は再びソニーグループの一員となる。同氏はソニーを卒業後、独立して数多くの経験を得たのち今回またソニーに戻ることについて「感無量だ」と答えている。同氏がソニー外部で得た経験を再び内部でどう生かしてゆくのか、今後の同氏と新会社の行方に注目したい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」