米Microsoftは米国時間1月24日、これまで物議をかもしていた同社のセキュリティー技術「Palladium」の名称を変更した。Microsoftはもはやこの名称を開発コード名として使用しないと発表したのだ。Palladiumは今後「next-generation secure computing base」と呼ばれることになる。
PalladiumとはWindowsプラットフォーム向けの新しいセキュリティー技術。2002年の夏に同社がその構想を明らかにしていた。これには、データ防御、通信セキュリティーの強化、自社/パートナー企業のシステム識別、といった内容が盛り込まれている。
Microsoftでは、「同技術がこれまで批判を集めてきたことが名称変更の理由の1つ」と説明する。「大きな注目を集めた分、多くの誤解も与えてしまった」(Microsoftのプロダクトマネージャー、Mario Juarez)
同技術は、データへのアクセスを制限する用途で悪用される可能性があるとして、問題が指摘されてきた。例えば、あるテキストデータに対しては、そのデータを作ったアプリケーションでしかアクセスできないようになる。
Microsoftはこうした批判を受けて、同技術への理解を深める努力をしてきた。ソースコードの公開に踏み切ったのだ。同技術の安全性について説明すると同時に、Microsoftが同技術でやろうとしていることが、その説明通りであることを証明しようとしたのだ。
今回の名称変更についてはその意図を疑う声もある。「(名称変更は)同技術への不安を払拭することだけが目的」との批判である。しかしJuarezは否定する。「我々は次の10年、この技術をWindowsに組みこんでいく。そうした動きの中で、結果的に名前を変えることになっただけ」(同氏)
さらに同氏は、商標権を巡る訴訟問題の可能性があることも付け加えている。「我々はある小企業によってこの名称の使用を禁じられている。こうしたことも名称変更の大きな要因の一つとなった」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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