Webサービス間の連携に向けた作業部会が発足

 World Wide Web Consortium(W3C)が、Webサービスの‘コレオグラフィー(choreography)’に向けた規則を定義する作業部会、Web Services Choreography Working Groupを発足させた。Webサービスのコレオグラフィーとは、ビジネス取引を成立するためのWebサービス間の連携方法を指すという。

 複数のWebサービスの相互接続には、複雑なアプリケーションが必要だが、W3Cは標準言語を策定することで、より簡単かつ容易な環境作りを目指す。共通の言語なくしては、「それぞれのWebサービスが孤立した状態に陥る危険がある」とW3Cは指摘する。

 同作業部会は、「特定のベンダーに依存しない仕様により、複数のベンダーのサービスを組み合わせたWebサービスを、より簡単に低コストで構築できるようにする」としている。

 しかし、アナリストや業界観測筋からは早くも疑問の声が挙がっている。「同作業部会のメンバーである米Microsoft、米IBM、米BEA Systemsといった大手がそれぞれの思惑を主張すれば、策定作業は脱線する」というのだ。

 例えば、知的財産の利用について、Microsoftを筆頭とする一部の企業とW3Cの方針は食い違っている。Microsoft側は、印税や特許料を徴収する計画を進めているが、「W3Cは、印税や特許料の徴収には反対している」(アイルランドのIona Technologiesの最高技術責任者で、W3CのWeb Services Architecture Committee委員のEric Newcomer)。同氏の言葉を借りれば、「MicrosoftとW3Cは、印税や特許料の問題で膠着状態にある」。

 W3CやOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)といった標準化団体は、様々なWebサービスのアーキテクチャーの標準仕様を策定しているが、これらをどのように統合し、整理するかという問題はまだ解決していない。

 Webサービス間の連携に関する言語で、W3Cから承認を得ている仕様は現在2つある。米Hewlett-PackardのWSCL(Web Services Conversation Language)と、米Intalio、ドイツのSAP、米Sun Microsystemsが提出したWSCI(Web Service Choreography Interface)だ。その他、W3Cに申請中の言語にはIBMのWSFL(Web Services Flow Language)やMicrosoftのXLANGなどがある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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