米連邦地方裁判所は米国時間12月23日に、米MicrosoftのWindows OSに米Sun MicrosystemsのJavaを搭載するように命じた。同裁判所は、ソフトウェア業界の巨人Microsoftがプラットフォームに依存しないプログラミング言語、Javaに損害を与えてきたと判断し、同判決を言い渡した。
ボルティモアのJ・フレデリック・モッツ判事が下した仮処分命令により、Sunは、Java搭載の要請と著作権侵害の申し立てが認められ、2つの勝利を獲得したことになる。
モッツ判事は42ページに及ぶ判決文の中で、「仮処分命令を発動しなければSunは、Microsoftの独占禁止法違反によってゆがめられた市場で、競争の権利や勝利のチャンスを永遠に失うことになる。」と述べた。
モッツ判事は、過酷な競争条件という現状を考慮し今回の決定を下した。同時にMicrosoftの行為は、Javaの犠牲のもと自社の.Net製品に利益をもたらそうとするものに他ならないと非難した。
「Microsoftが犯した独占禁止法違反の影響が存在する市場においては、Sunが公平に競争する機会を得ない限り.Netが有利に働く。その場合、市場は近い将来にも、深刻な危機に陥ることになる。またそうした動きがいつ起こるかをあらかじめ突きとめておき、予防措置を講じておくということは不可能だろう。さらに、市場が.Netに有利に動いた後では、Sunは十分な損害賠償を受けられなくなる。」
Sunは今回の判決について歓迎の意を表明している。
「今回の判決は、Java技術の配信チャンネルを大幅に変えるものだ」とSunの副社長で特別法律顧問のマイク・モリスは声明を発表した。「Java技術とそれをとりまくビジネスモデルは、Microsoftが現在独占している市場を開放し、活気ある競争と制約のない技術革新を約束する。われわれが要求してきた今回の仮処分命令は、本審理が始まるまでの期間にMicrosoftから与えられる危害の一部に対抗するものとなる。」
Sunは、「MicrosoftがSunのJavaではなく、Microsoft製のJavaを搭載する行為は独占禁止法に違反している」として提訴していた。Sunの主張によれば、Microsoft製のJavaはSunの技術とは互換性がない。
JavaはどのOSでも動作するよう設計されたコンピューター言語だ。Microsoftは長年Javaを、Windows OSの地位を脅かす存在とみなしてきた。Windowsは、裁判所から独占的優位を利用した製品との判断を受けている。
なおMicrosoftは今回の判決を不服とし控訴する構えを示している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」