アップル、「Windows 7」にジャブ--「Snow Leopard」をアピール

文:Ina Fried(CNET News) 翻訳校正:編集部2009年06月09日 12時32分

 サンフランシスコ発--Microsoftが「Windows 7」を画期的な新バージョンのOSとして位置づけようとする中、Appleは米国時間6月8日、これまでのWindowsと変わらないとして同OSを切り捨てた。

 AppleのBertrand Serlet氏は、当地で開催されたWorldwide Developer Conferenceの基調講演において、Windows 7の基盤部分は、同OSのこれまでのバージョンと同様に複雑であると述べた。

 同氏は、「それがWindows 7である。基本的には『Windows Vista』の別バージョンに過ぎない」と述べた。

 Serlet氏は、Appleが提供するOSの次期バージョンである「Snow Leopard」がWindowsとはまったく対照的であることを強調しようとした。「われわれはまったく異なる観点からOSを構築している」(Serlet氏)

 しかしSerlet氏は、Windowsとは基本的に異なると主張したものの、実際にはSnow LeopardのことをWindows 7と同じような位置づけで紹介した。つまり、既存の「Leopard」の改良版であると説明したのだ。

 「われわれはLeopardを愛している」と同氏は述べ「Leopardを誇りに思っている」と続けた。

 Snow Leopardでの目標は「より良いLeopardを構築することであった」と同氏は述べた。

 AppleとMicrosoftのOSには他にも類似点がある。Snow Leopardの新機能として、プレビュー機能であるExposeウィンドウのDockへの統合があるが、これはWindows 7の新タスクバーにおけるAero Peek機能に似ている。

 Serlet氏の主張もまったく嘘だというわけではない。Snow Leopardに対するAppleの取り組みとWindows 7に対するMicrosoftの取り組みには、大きな相違点がいくつか存在する。

 Windows 7は、中核となるVistaエンジンの外観と性能の向上を主な目的としているのに対し、Snow Leopardは、より内部に目を向けて、64ビット処理とマルチコア機能の活用を目的としている。

 またAppleは、Snow LeopardにExchange Server機能を追加することにより、Windowsとの互換性向上を試みている。Appleによると、ユーザーが電子メールアドレスとパスワードを入力するだけで、同OSはExchange Serverを「自動検出」し、ユーザーのカレンダーやメールが、「Mac OS X」の「iCal」や「Mail」プログラムで使用可能となるという。

 しかし、(Windowsにとって)Appleからの最大のプレッシャーになるのは、価格だろう。Serlet氏によれば、Snow Leopardは9月に出荷が開始され、Leopardの既存ユーザーはたった29ドルでアップグレードできるという。

 Microsoftは、Vistaユーザーが低料金でWindows 7にアップグレードできるようになることを示唆しているものの、詳細は明らかにしていない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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