「Sobigの背後に組織犯罪の影が」-ウイルス専門家の唱える陰謀説

 あるウイルス対策の専門家は、Sobigウイルスを、スクリプトを書く程度の技術力しかない人間ではなく、パソコンの乗っ取りを企てる高度な犯罪者の仕業だと主張している。

 有数のウイルス対策専門家が、ユーザーや組織はSobigの感染規模を心配するあまり、それがもたらす本当の脅威から目を逸らしてしまうとの懸念を表明している。

 ClearswiftのThreatLabマネージャー、Peter Simpsonは、ウイルス対策会社やメディアがSobig.F亜種の空前の感染規模ばかりを気にしていて、実際の危険性にはほとんど目を向けていない、と警告した。

 Simpsonによると、Sobig.Fは、オンラインでの行動を視野に入れた組織的な犯罪者による、デジタル世界への進出を意図した一連の動きのなかで最も新しいものだという。

 「Sobigは数字の上であらゆる記録を塗り変えたが、Sobigの脅威はそれだけではない」とSimpson。「Sobig.Fは6度目のコントロールされた実験だ。どこかの子供が自室でウイルスを書いているというような話ではない--これは本当に、とても高度な組織的犯罪なのだ」(Simpson)

 そしてSimpsonは、さらにひどい事態が起こると考えている。

 Sobigをコンピュータに感染させた目的は、コンピュータに被害を加えたり、単に急速にウイルスを蔓延させることではなく、トロイの木馬をダウンロードしてマシンを制御し、たとえば銀行の詳細情報にアクセスして詐欺に利用することなのだ、とSimpsonは説明する。こうした方法によって、マシンの制御権がウイルス作成者の手に見事に渡ってしまう。

 また悪徳マーケッターはこの方法により、被害者のコンピュータや個人情報を悪用して、スパムの発生元を偽造することも可能になる。

 Simpsonは、組織犯罪者らの主な動機は後者で、スパムとウイルスの脅威を合わせることにより両方の効果をあげているのだ、と示唆している。人々のスパムに反対する意識が高まったことや、フィルタリング機能の導入により、経営が悪化しているスパム業者は現在、メッセージを広めるためのより高度な方法を考え出す必要に迫られている。

 「ここで本当に問題となるのは、ウイルス作成者の動機だ。急速に蔓延して記録を更新するウイルスを作成するという話ではない。動機はもっと違うもので、明らかに犯罪的だ」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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