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国内IT投資市場規模予測、2004年には需要回復

2003/08/21 20:04
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 IDC Japanは21日、国内のIT投資市場規模予測を発表した。これによると、2003年の国内IT投資は2002年に引き続きマイナス成長で、対前年比1.4%減の11兆9592億円と予測されているが、「2003年後半から景気の回復がはじまり、2004年にはIT投資も回復するだろう」(IDC Japan ITスペンディングリサーチマネージャー、塚本卓郎氏)としている。なかでもITサービス、ソフトウェアへの投資が索引役となり、2002年〜2007年の平均成長率は2.1%、2007年のIT投資は13兆4511億円とIDCでは予測している。

 製品別に市場を分析すると、ハードウェアは製品の低価格化が続き、出荷台数が増加しても出荷金額は減少する状況だ。低価格化の大きな要因となっているのは、コンピュータシステムの需要がカスタムシステムからオープンシステムに移行していること。だが製品の価格低下でIT投資が減少しても、「出荷台数が増加することでソフトウェアやサービスの市場は確実に拡大する」と塚本氏。大規模のアウトソーシングやデータベース、ネットワーク管理用ソフトウェア、ネットワークシステムのセキュリティソリューションなどが今後のIT投資対象として拡大するとしている。

 アウトソーシングについて塚本氏が特に注目しているのはASPだ。ドットコムバブルの崩壊後いったん落ち込んだASP事業だが、「まだこの技術を抱えているプロバイダは数多く、再利用という形で伸びてくるのではないか。銀行や地方自治体においてシステム共有化の動きもあり、堅調な伸びを示すだろう」(塚本氏)としている。

産業分野別のIT投資規模を探る

IDC Japan ITスペンディングリサーチマネージャー、
塚本卓郎氏

 産業分野別にIT投資規模を分析したところ、金融業では現状の経営状態からして、国内景気が回復基調となっても急激なIT投資の増加は望めないとしている。ただ、2003年〜2004年には新券発行のためのATM関連投資が発生すること、また株価上昇に伴い個人投資家獲得競争が起こり、そのためのIT投資が活発になることや、証券取引の決済自動化に向けてのIT投資が2004年以降に本格化する見込みだとしている。

 流通・小売業は一般消費者の動向に影響を受けやすい分野だが、塚本氏は業界の淘汰が進んでおりIT投資の増加も勝ち組企業に偏っていることを指摘する。そして、「SCMとCRMを融合させた高度な商品管理システムが勝ち残るための要素だ」と語る。同じく一般消費者動向の影響を受ける運輸業も、不況で業績不振が継続しているが、「JRのICカードSuicaのように、今後の新事業展開においてはIT投資が期待できる」としている。

 通信・メディア産業においては、NTTグループの投資が抑制されていることで2003年の通信分野の成長率は低いとしながらも、2004年以降はNTT以外の通信事業者でもブロードバンドの普及をベースにIT投資を増加させる見込みだという。IP電話等のデジタル通信や情報サービスが一挙に展開されることや、地上波デジタル放送の開始もこの動向に拍車をかけると塚本氏はいう。

 官公庁関連では、財源不足による影響で2003年のIT投資はマイナス成長が予測されているが、2004年以降はe-Japan重点計画の完全実施を目指し、再び投資が活発になるとしている。一方、地方自治体は合併によるシステム新規導入需要が見込まれるものの、税収入減少による財源不足が深刻で、IT投資の成長率も全体平均を下回るとのことだ。

 最後に塚本氏は一般消費者のIT投資需要についても語り、これまで買い控えられていたPCの買換え需要が2004年に一気に発生すると予測。ただ、一般家庭のPC普及率は飽和状態となっており、2005年以降はPC市場の急拡大はないとしている。

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