W3C、PNGの第2版を勧告

 インターネット標準動向の鍵を握る団体が今週、ロイヤリティフリーの画像ファイルフォーマットに関する改定勧告を発表した。

 W3C(World Wide Web Consortium)は米国時間10日、PNG(Portable Network Graphics)フォーマット第2版の勧告を発表し、7年間にわたる誤りを修正し、マイナーな技術調整を行った。

 この画像フォーマットの第2版は、その他にも、より広範な承認を得ている。今回、ISO/IEC 15948:2003として、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)の両団体からも発行される。

 PNGは、ネットユーザーや企業各社を驚かせた、ある特許の回答として設計された。この特許は、LZW(Lempel-Ziv-Welch)という圧縮アルゴリズムに関するもので、広く普及した画像フォーマット、GIF(Graphics Interchange Format)のベースとなっている。

 LZWの特許を所有する米Unisysは以前、GIF画像の利用に対してロイヤリティを求める意図を表明したことがある。これに対して、ロイヤリティのいらない代替案として、フリーソフトウェア開発者らが開発したのがPNGだ。

 PNGの開発にあたり、開発者たちは画像を部分的に透明にする機能など、GIFにはない機能が付加している。

 このように、GIFにはない追加機能があり、ロイヤリティフリーであるにも関わらず、普及の度合いでいえば、PNGはGIFのレベルに達したことはない。ブラウザ市場で独占的な地位にあるInternet Explorerのサポートが完全ではないことも、この一因となっている。

 さらに、今年米国でLZWの特許の期限が切れたため、PNGは本来の存在理由を失った。なお、カナダ、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリアでは、LZW特許は2004年の中頃に期限切れとなる。

 PNGフォーマットをもともと開発した人物は、特許の切れたGIFがパブリックドメインに入ることで、PNGの存在が脅かされているとの考えを退けている。

 「(GIFの特許が期限切れになったからといって)PNGがGIFより技術的に優れていることに変わりはない」と、PNGの仕様を編集した元軍事エンジニアのGlenn Randers-Pehrsonは語った。「部分的に透明化する機能に加え、PNGでは1600万色が扱える。これはGIFの256色とは対照的だ」(Randers-Pehrson)

 Randers-Pehrsonはまた、PNGのユーザーが少ないという意見にも反論し、Googleのイメージ検索エンジンの測定では、ウェブ上にある画像フォーマットのうち、PNGを用いているものがかなりの割合に上ると指摘した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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