筆者は「Google Chrome OS」搭載ノートPC「Cr-48」を好きになりたいと思っていた。既に自分の作品の大半をインターネット上に保存しており、執筆やメモのためにコンピュータを常時携帯しなければならない筆者のようなコンテンツ制作者にとって、Cr-48は理論上、理想的なデバイスである。筆者は「iPad」を大変気に入っている(期待をはるかに上回っていた)が、生産性マシンとしては期待はずれだった。単に、画面上に表示されるキーボードにタッチしてタイプするのが、筆者にとって難しいからだ。Cr-48は素晴らしいキーボードを備えているものの、少なくとも現時点では、筆者はこのデバイスをまだ好きになっていない。
Cr-48はChrome OSのテスト機、つまりリファレンス用プラットフォームで、同OSがインストールされている。Cr-48を購入することはできないが、約6万人の人々がCr-48を無料で入手して(幸運を祈る)、いじることができる。筆者はCr-48を手に入れ、約1日かけてさまざまなことを試してみた。その中で分かったことを以下で紹介する。
Cr-48は一般向けに販売されるハードウェアではないものの、この黒色の薄型リファレンスノートPCに関して、最初に1つ言っておきたいことがある。Cr-48のミニマリスト的な美的感覚はとても洗練されているということだ。滑りにくいマット仕上げで、本体外側にバッジや凹凸がなく、「ThinkPad」のように頑丈なキーボードを備えていることなどはすべてうまくいっている。バッテリ寿命も長く(夜中に充電しておけば、バッテリ切れを心配する必要はない)、動作音も静かだ。機械的なハードドライブを搭載しておらず、(動画再生中に)ファンが起動しても、その音は全くと言っていいほど聞こえない。
ハードウェアとソフトウェアは効果的に連携しているように感じられる。キーボードのレイアウトは標準的なものではない(例えば、目立つ場所に「Search」キーがある。ほとんどのマシンで「Caps Lock」キーが配置されている場所なので、見落とす人はいないだろう)が、このOSに合っている。ただしキーボードは黒色で、文字は灰色で印字されており、バックライト機能も備えていないため、暗い部屋でこのキーボードを使うのは難しい。また、イーサネットポートがないのも非常に困る。特に筆者のオフィスのように、Wi-Fiが低速で過剰なセキュリティ対策が施されているものの有線接続はあらゆる場所に行き渡っているという場所ではなおさらだ。
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