信じられないかもしれないが、既存のモバイル業界、すなわちAndroidの成功の立役者である各社は、必ずしもそれらのアイデアに賛同していなかった。複数のキャリアが約束していたNexus Oneのサポートを取り下げた。そして、キャリアの広範なサポートを失ったGoogleは、正に自分たちが嫌がっていたこと、つまり事実上単一のキャリアに縛られた携帯電話を提供せざるを得なくなった。
そのため、今回のNexus Sは、単純にハードウェアとソフトウェアについて宣伝されている。Nexus Sは基本的にサムスンの「GALAXY S」のGoogle版である。GoogleのCEOであるEric Schmidt氏が11月に言及した近距離無線通信(NFC)チップを搭載しており、将来的に携帯電話をクレジットカードとして使えるようになる可能性がある。「Android 2.3」(開発コード名「Gingerbread」)は、新しい仮想キーボードと簡素化されたユーザーインターフェースを備える。Nexus Sとともに12月16日に出荷される予定で、ほかのAndroid搭載携帯電話よりもはるかに早い登場となる。
Nexus Sは、スマートフォン業界に革命をもたらす鍵となる製品として宣伝されているわけではない。6日午前のTwitter上のコメントから判断すると、今でもGoogle社内には、いつの日かそれを実現し、「純粋なGoogle体験」がソフトウェアを越えて拡大することを望んでいる人が少なからずいるようだが、それが実現する日は今日ではない。
では、独自ブランドのスマートフォンを作るというGoogleのより大きな目標は、どうなったのだろうか。Rubin氏は6日夜、サンフランシスコで開催のD: Dive Into Mobileカンファレンスにおいて講演を行い、Nexus Sを披露する予定なので、その目標に関する情報が分かるかもしれない(本稿執筆時点)。
しかし今のところ、GoogleがAndroidの当初の約束、つまりAppleと「iOS」の代替品として、競争力のあるスマートフォンOSを世界中のワイヤレスキャリアと携帯電話メーカーに無料で提供するという約束に注力する道を選んだことは明白だ。この業界の解体は、もうしばらく待たなければならないのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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