通常、ウルトラポータブル「Mac」が1つリリースされたからといって、Microsoftが震えあがる理由にはならないが、米国時間10月20日のAppleの発表は、「Windows」チームにとって多くの理由で脅威だったはずだ。
この製品自体が、PC市場におけるMicrosoftのいまだ巨大なシェアを大幅に減少させるということではない。しかし、Macが提供できるようになった可能性をいくつか示しており、それに対抗するのはMicrosoftにとって困難であるように思われる。
最も重要なのは、Macが今や、「iPhone」や「iPad」がすでにそうであるように、ボタンに触れた瞬間に復帰できるようになったということだ。Appleはこれを「一瞬で起動」と宣伝しているが、実際には「一瞬で復帰」だ。ただし、この製品は何週間もスリープさせたままにしておけるので、実質的には同じことだ。
登場してから先週で1年たった「Windows 7」は、復帰時間が大幅に改善されてはいるが、少なくとも筆者が新しい「MacBook Air」を初めて使ってみたかぎり、最高のWindows PCでもMacのこの新機能には太刀打ちできないと言える。
MacBook Airが高速であることの理由の1つは、単にフラッシュストレージを使っているということだが、もっと大きな理由は、Appleが新しいMacBook Airを、従来のハードドライブがなくなるという前提で設計したことかもしれない。結果として、Appleはそれに応じてシステムを設計でき、各種タスクをさらに高速化することができた。Steve Jobs氏は、MacBook Airの設計はMacBookの未来を表していると何度も述べ、将来は同社のノートブックすべてでフラッシュストレージを採用する可能性を示唆した。Jobs氏はイベントのあと筆者と少し話したときも、この点を強調した。
Microsoftは、Windowsをサポートする上で、最低限の仕様を満たすすべてのデバイスで同OSが動作することを保証する必要がある。端的に言えば、これがWindowsの典型的な課題だ。Microsoftは、さまざまなハードウェアパートナー企業と協業し、何年も前のマシンをサポートしているため、Windowsは互換性のために最高のパフォーマンスを犠牲にしなければならないことも多い。
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