「Google TV」の可能性--Androidの成功を踏襲するには

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年10月12日 07時30分

 「Google TV」を「Android」プロジェクト第2シーズンと考えよう。このオープンソースソフトウェアは、業界のパートナーの支援を受けており、新たなインターネット検索の大きな可能性の扉を開こうと作られている。

 GoogleがAndroid開発担当チームを買収した2005年当時、ユーザーはスマートフォンでウェブブラウジングをしてはいたが、2007年にAppleが「iPhone」をリリースするまで、スマートフォンでのウェブエクスペリエンスの質は非常に低かった。1年以上遅れて発表されたAndroidは、Appleの「iOS」と同レベルの質を提供することだけでなく、ハードウェアメーカーや通信事業者の壁を越えて普及させ、モバイルインターネット検索を拡大することが狙いだった。

米LogitechのSTB「Logitech Revue」は初のGoogle TV対応製品だ。業界はこの製品で、人々がついにウェブとテレビの組み合わせを受け入れる準備ができたのか分かるだろう。 米LogitechのSTB「Logitech Revue」は初のGoogle TV対応製品だ。業界はこの製品で、人々がついにウェブとテレビの組み合わせを受け入れる準備ができたのか分かるだろう。
提供:Logitech

 米Logitechは米国時間10月6日午後、AndroidベースのGoogle TV対応セットトップボックス「Logitech Revue」を発表した。Androidのときと同じ状況になっていくに違いない。このシナリオでは、Googleやほかのテレビ用ソフトウェアメーカーは、強大なケーブルテレビ事業者や衛星テレビ事業者とぶつかるだろう。こうした企業は長年にわたって、インターネットがリビングへ入り込むのに抵抗してきた。インターネット接続機能を持つテレビの販売台数は年々増えており、RokuやBoxeeなど一部の企業は、インターネット接続機能を備えたセットトップボックスを開発して、ささやかな成功を収めている。

 しかし、携帯電話でのインターネットの使い方をiPhoneが変えたような形で、インターネットをテレビに持ち込むという決定打を1社だけで放った企業はまだない。Googleは、Logitechやソニー、Intel、Best Buy、Dish Networkなどの有名なパートナー企業とともに、Google TVはそうした種類の製品だと断言している。

ピーナッツバターカップとしてのテレビ

 Google TVとは、自分のテレビの中にあるインターネットだ。あるいは、インターネット上に自分用のテレビがあるとも言える。ユーザーがどちらの説明を好んでも、Googleはあまり気にしない。

 どういうコンセプトかというと、Logitechなどのパートナー企業が、インターネット接続用のセットトップボックス(基本的には機能を絞ったPCで、Intelの「Atom」チップを搭載したもの)を開発し、それを現在使用しているケーブルテレビや衛星テレビの受信機と、テレビの間に置くということだ。こういったセットトップボックスは、大型スクリーンとリモコン操作向けに最適化されたバージョンのAndroidを稼働する。それによってユーザーは、インターネットと従来のテレビ局による番組の両方から、特定の番組を探せるようになる。同時に、見ている番組を一時停止したり、見るのをやめたりせずに、インターネットアプリケーションを呼び出すこともできる。

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