Appleは現在、新しい「iPhone 4」ユーザーの多くが経験している受信問題について、原因はハードウェア設計ではなく、ソフトウェアの数式の誤りだと主張している。しかし、多くのユーザーが報告しているこれらの問題は、本当にソフトウェアアップデートによって解決されるのだろうか。
筆者はAppleの説明に対して、いささかの疑問を感じている。
2週間前にiPhone 4がユーザーの元へ届き始めて以来、数多くのユーザーが、本体の左下部分に触れるようにして同デバイスを握ると、受信電波が弱くなったり、通話が切れたりするという不満を訴えている。Appleはこの問題の存在を認めており、単にユーザーが手でアンテナを覆っていることが原因だと説明した。最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏はユーザーに対し、この問題の一番の解決方法は、本体の持ち方を変えることだと述べた。同氏は別のアドバイスも提示した。それは、29ドルのゴム製バンパーを購入し、本体の周りに装着することによって、アンテナを手で直接覆ってしまわないようにすることだ。
Appleは今、同社のエンジニアが「驚くべき」発見をしたと述べている。受信感度の低下や通話の切断という問題は、本体の持ち方だけに原因があるのではなく、受信電波が実際よりも強い状態にあると認識されることにも原因があるのかもしれない。Appleがその声明の中で述べたところによると、すべてのiPhoneにおいて、電波の強さを示すバーの本数を算出する数式に間違いがあったという。
「驚くべきことに、電波の強さを示すバーの数を何本表示するかを計算するためにわれわれが使っている数式が間違っていたことが判明した。現在使用している数式は多くの場合、特定の電波の強さに対して、バーの数を誤って2本多く表示してしまう。例えば、本来2本表示すべきところ、4本表示してしまうということがある。iPhoneを特定の方法で握った時にバーの数が数本減る場合、恐らくユーザーは非常に電波が弱い地域にいると思われる。しかし、誤って4本から5本のバーが表示されるため、ユーザーはそのことに気がつかない。バーの数が大きく減るのは、そもそも実際以上に多くのバーが表示されていたためだ」(Appleの声明)
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