このシステムは、外部との通信には1つのフロントエンドを使用し、内部ネットワークによって信頼性と柔軟性がもたらされている。各プロセッサは「Ubuntu」Linuxの機能縮小版を実行する。
しかし、商品化は、ほかのところからになりそうだ。
「わたしは学生たちに、みなが望むなら企業を立ち上げてもよいと話した。しかしわれわれの総意として、多くの人が博士号を得る方が重要だと判断した」(Andersen氏)
しかしながら、世界にはサーバメーカーがほかにもたくさんあり、その多くが、フラッシュメモリを高密度に詰め込んでソリッドステートドライブ(SSD)としたものに興味を持っている。Sun Microsystemsはフラッシュメモリに強い関心を持っており、同社を買収する予定のOracleに特化したデータベースシステムを構築した。DellはSSDに大きな期待を寄せている。
FAWNの設計の頭脳部分に焦点を当てて、新興企業のSeaMicroが、多数のプロセッサを搭載したAtomベースのサーバを開発しているようだ。創設者であるAnil Rao氏は、SeaMicroが特許を申請しているコンピュータシステムの発明者の1人でもある。このコンピュータシステムは、ストレージ、ネットワーク接続、そしてBIOSと呼ばれる起動テクノロジを含む共有リソースへのアクセスを共有する多数の独立したプロセッサモジュールからなるものだ。
では、FAWNは実際にどんな場合に有用なのか。Andersen氏はあらゆる状況に役立つとは主張しないが、その使用事例は、進行中のインターネット革命の中心にいる企業にとって重要であるものが多い。
具体的には、FAWNは、ストレージシステムから読み取られることの方が書き込まれることよりもはるかに多い、小さい断片の情報を数多く格納する必要がある企業に適している。こういったデータは「キーと値のペア」と呼ばれる形式で格納されることが多い。このような情報は、索引となるキーとそれに対応するデータで構成されている。「例えば、キーが『Dave Andersen update 10,579』で、更新値は『Back in Pittsburgh』となる」(Andersen氏)
しかし、従来のメモリは高価であり、ハードドライブは、サムネイル画像やソーシャルネットワークの連絡先といった、ディスクの至る所に格納された多数の小さな断片のデータを取得するには不向きである。「現在のコンピュータに要求されるワークロードの種類を考えると、入出力に何度もランダムアクセスするようなワークロードは、ハイエンドCPUでは非常に効率が悪い」とAndersen氏は述べている。
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