仮想現実(VR)を一般ユーザーに届けようというGoogleの試みが、11月に新たな段階に入った。Googleのスマートフォン「Pixel」を持っていれば、79ドルの「Daydream View」ヘッドセットを各種小売店で、あるいはGoogleから直接購入して、新しいプラットフォームを利用できるようになったのだ(日本では未発売)。
スマートフォンを顔の前にくくり付け、それを使って仮想世界に入るというアイデアは、筆者にはまだ理解しきれていないが、GoogleのDaydreamを1週間使ってみて、ようやく納得し始めているところだ。
Daydreamのセットアップに必要なものは2つある。Daydream対応のスマートフォンと、Daydreamヘッドセットだが、両方を提供しているのは今のところGoogleだけだ。
Daydream Viewの箱に入っているのはヘッドセットと、VR環境の操作やナビゲーションに使うBluetoothコントローラだ。GoogleのPixelシリーズスマートフォンは、もちろんDaydreamに対応している。
ZTEの「AXON 7 Pro」(399ドル)もDaydream対応だが、「Daydream」Androidアプリとヘッドセットが動作するには、公式のOSアップデートを待たなければならない。
GoogleのDaydreamプラットフォームでの使用を認められるスマートフォンが増えていくにつれて、いつでも楽しめる本格的なVRプラットフォームの初期費用も下がっていくだろう。
Daydream Viewヘッドセットに初めてPixelを装着すると、「Google Play」ストアからDaydreamアプリを入手してインストールするように求められる。
Daydreamアプリは、アプリやゲームの検索、Daydreamの基本設定の調整などのための中心的なハブとなる。
Daydreamアプリをインストールし、対応アプリをダウンロードしたら、Daydreamアプリ自体からアプリを直接起動するか、スマートフォンをヘッドセットに取り付ける。
付属のコントローラは、上部に3つのボタンがある。最も大きなボタンはトラックバッドになっており、さまざまなメニューや画面でスワイプ操作に使える。側面にはボリュームボタンがあり、ヘッドセットの使用中にAndroidスマートフォンに触ることなく音声出力を調整できる。コントローラの充電はUSB-Cから。ケーブルも電源アダプタもPixelと共通だ。
Daydreamを使い始めるときは毎回、リモコンを持って画面中央の点を指し、それからホームボタンを押す必要がある。スマートフォンとコントローラの間で接続を確立するためだが、筆者はこの手順を毎回何度も試さなければならなかった。いったん確立すれば、通信には何の問題もないのだが。
筆者がDaydreamを使っている間、コントローラでの操作が画面表示に反映されるまでに、目に見えるほどの時間差や遅れが出ることはなかった。
Daydreamとサムスンの「Gear VR」の操作方法を比べてみると、ヘッドセット側面のトラックパッドを使うGear VRよりもDaydreamのほうが使いやすく、はるかに直感的だと感じた。
Gear VRでは、選択するアイテムを見て(あるいはトラックパッドを何度もスワイプして)、それからヘッドセットの側面をタップしなければならないが、Daydreamのコントローラは自分の手の延長のように感じられる。コントローラを手に持って指し示すか、コントローラでジェスチャーして、目の前の仮想世界を操作していけるのだ。
交代でDaydreamのゲームをプレイして、1時間ほど子どもたちと競っていたとき、その間に何度か、動きが遅れたりぎこちなくなったりと、パフォーマンスの問題が出始めることがあった。
その原因を解明しようとしたところ、スマートフォンが非常に高温になっていることがわかった。触れないほど熱くはないが、手に持っていたくないと感じるくらいだ。結局、スマートフォンをDaydream Viewヘッドセットから取り外し、温度が下がるのを待った。常温に戻ると、何も問題なく動作するようになった。
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