Googleがウェブサイトの検索結果表示を大きく変更したことで、ウェブ業界が混乱している。この変更の一環として、同社は2週間前、アルゴリズムに「ユーザーからのフィードバックのシグナル」をより多く取り入れるようにしたことを発表した。
Googleがウェブサイトランキング方法をこれほど劇的に変更した理由は簡単だ。SEO業者が、以前のアルゴリズムの裏をかいて、低品質の記事を高品質のコンテンツよりも上位に表示させる方法を習得してしまっていたからだ。SEO重視のコンテンツファームは、ユーザーに有益なウェブページを準備するのではなく、検索エンジンのためにコンテンツを作っていた。
変更点をテストし、めったに見られないGoogleのアルゴリズムのメカニズムを垣間見るために、米CNETは3月と、最近の変更が実施された米国時間4月15日に、Google.comのテストを行って、10万件近い検索結果を集めた(以降に表とダウロード可能データを掲載している)。
ニュースサイトは全般的にこの変更の恩恵を受けている。米CNETがGoogle検索結果の1ページ目への表示数をもとに作成したランキングでは、Fox Newsは89位から23位に上昇した。同様にABC Newsもかなり順位を上げており、ESPN、The New York Times、Yahoo Newsも順位が上がった。
SearchMetrics.comの記事によると、この「Panda」と呼ばれるアルゴリズム変更によって、AssociatedContent.com、FindArticles.com、EZineArticles.comなどのサイトへのトラフィックは減少したという。この変更は、Cult of MacやBritish Medical Journalといった全く問題のないサイトにもマイナスの影響を与えている。
米CNETによる分析では、最上位のサイトには大きな変化はなく、順位は変わらなかった。Wikipedia、YouTube、Amazon.com、The Internet Movie Database(IMDb)はそれぞれ、以前と同じうらやまれるようなランキング上位を維持している。Hulu.comは51位から22位へと急上昇した。
Twitter、Facebook、Huffington Postは少し順位を上げている。一方Yelp、Flickr、Apple.com、WebMDはわずかに順位を下げた。政府のウェブサイトは順位を上げており、WhiteHouse.govは125位から79位に上昇している。米航空宇宙局(NASA)や米疾病予防管理センター(CDC)、米国国立衛生研究所(NIH)も順位を上げた。
下がっているウェブサイトはWikiHowやeHowなどだ。この結果は、Pandaアルゴリズム変更によって、いわゆるコンテンツファームの順位が下がるとしたほかの報道と一致する。価格比較サイトNextag.comも順位が下がっている。
「打撃を受けたサイトは、そこから抜け出そうと手を尽くしている。この変更が対象としているのは、質の低いコンテンツを掲載しているサイトだ」。Search Engine LandのニュースエディターBarry Schwartz氏はこのように語る。
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