注目集めるモバイル用チップ市場--クアルコムとインテルの製品を検証 - (page 2)

文:Brooke Crothers(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年07月02日 07時00分

 IntelのMoorestown(下の画像を参照)は2009年または2010年に発売される予定だが、あまり知られていない。判明しているのは、高度に統合され、Moorestownがターゲットにしているスマートフォン市場のシリコン設計により沿ったものになるということぐらいだ。MoorestownはSOC(System on a Chip)で、メモリコントローラ、グラフィックスなどのコンポーネントが統合され、これらの重要なデバイス間の通信速度が向上する。そして、Atomのように、現在、PCで一般的に使われているすべてのソフトウェアを実行できる。

 次は、QualcommとSnapdragon(別名「QSD8250」「QSD8650」)を見てみよう。Snapdragonはハイエンドスマートフォン、モバイルインターネットデバイスをターゲットにしている。

 SnapdragonとAtom(Intel唯一の超小型デバイス向けの定評あるプロセッサ)の主な違いは、消費電力と統合性だ。Qualcommは、統合性と低消費電力が重要な携帯電話市場で経験を積んでいることから、多くの機能を消費電力の少ない1つのシリコンに組み込んでいる。これに対して、Intelはこれまで、小型デバイスでの統合性、長バッテリー寿命の実現には注力してこなかった。

 (Qualcommは長年、携帯電話市場向けのシリコンを供給しているが、Intelはまったく初めてだ)

 もうひとつ重要な点は、Qualcommは従来の意味でARMから技術ライセンスを取得していないということだ。Qualcommがライセンスを取得しているのは命令セットのみで、オリジナルのプロセッサを構築し、消費電力を押さえつつ、クロック速度を1GHz以上に高めている。けれども、Snapdragonはスピードの塊というわけではない。目標とする電力エンベロープ内で比較的優れたパフォーマンスを発揮する。

 主な特徴は、Snapdragonは0.5W以下で動作し、最新のARM v7命令セットをベースにし、最速1GHzで動作し、プロセッサ、GPS、ATIグラフィックスコア、マルチメディア(デジタル信号プロセッサ)、3Gモデムを含むほぼすべてを15×15mmのシリコンに統合しているということだ(画像参照)

 Qualcommは携帯電話に適したバッテリー寿命を売りにしている。

 Qualcommは現在、Snapdragonを顧客企業に出荷しており、2009年第1四半期に製品が出荷される予定だ。すでに、HTC、サムスンがSnapdragonをベースにした製品を発売する予定だと発表している。

 Moorestown 2009年から2010年に出荷されるMoorestownシリコンは、Intelが持つ、QualcommのSnapdragonに最も近いチップだ。
(提供:Intel)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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